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「馬鹿だな、俺のことはいいんだよ…。」
『よくない!全然よくない!』
私だって、翔太のこと守りたいんだよって、知っていてよ。無力かもしれないけど、翔太もふっかも、傷つけられるところを見るのは、やっぱり嫌なんだ。
「わかった、わかったから…」
あやすように再び抱きしめられる身体。
ぽんぽんと頭を撫でられ、次第に落ち着いていく。
「な、それより、さっきの本当?」
『なに、が?』
耳を掠める翔太の唇に、びくりとした。いつもより低めの掠れた声が、心臓に悪い。
「A、俺のこと好き、って…」
言葉を、失った。さっきの録音もだけど、一体いつから居たんだ。パニックになり、思考が上手く追いつかなくなっていく。
ぎゅう、と力がこもる翔太の腕に、現実へと引き戻される。
ああ、言い逃れ、とかもういいや。
『すき、だよ。』
潰れそうなくらい、私を抱きしめたまま、何も言わない翔太。無言は気まずいからやめてほしい。早く、何か言って。
腕にこもった力を緩められたから、顔を覗き込もうと見上げた途端。
降り注いだ、二度目の、キス。
心臓は破裂しそうだった。
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杏奈(プロフ) - キュンキュンしたり切なくなったり...素敵な作品でした!何気ないセリフだけど「馬鹿だな、俺のことはいいんだよ」にひゃーとなりました笑!はつ恋は実らない。も読んでいたのでやっぱり作者様の表現好きだなと思いました。これからの作品も楽しみにしています! (2020年7月12日 22時) (レス) id: aadbdb729c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月叶 | 作成日時:2020年7月8日 0時