* ページ35
.
普段通りに6時間目まで授業を受けて、放課後。
先生に呼び出されたから、とふっかと翔太が教室からいなくなる。今日は帰り道のカフェに新作が出るから、と寄り道の約束をしている。
『早く戻ってこないかなあ。』
先生の呼び出しってなんだろ?
テスト前でもないし、提出物だってないし、なのにふっかと翔太だけ呼び出し?
二人は居眠りでもしていたのかな、なんて呑気に考えていた。
【あ!Aちゃん!】
あの甘ったるい声が、閑散とした教室に響く。
『…茉実ちゃん。』
【どうしたの?一人?】
『あ、えっと、ふっかと翔太待ってて…』
その言葉を待っていたかのように、彼女の態度が豹変する。
【…あのさぁ。】
ジリジリと近づいて、私の前の席に座る。
【茉実の邪魔、しないでくれない?】
『は?』
【しょおたは茉実のなの。これから茉実のものにするの。だから、あんたがしょおたとふっかと仲良くすると邪魔なの。】
これが、本性とやらか。
【てか、だいたい翔太とか呼んじゃって馴れ馴れしくない?ちょっと優しくされたくらいで勘違いしてんじゃないの?あーまあ無理もないよね、男の子に優しくされたことなさそうだもんね?】
茉実ちゃんの悪意が降りかかる。怖くて、震えが止まらない。だけどもう、逃げないって決めたから。
ぎゅっと、拳を握り締めた。
.
447人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
杏奈(プロフ) - キュンキュンしたり切なくなったり...素敵な作品でした!何気ないセリフだけど「馬鹿だな、俺のことはいいんだよ」にひゃーとなりました笑!はつ恋は実らない。も読んでいたのでやっぱり作者様の表現好きだなと思いました。これからの作品も楽しみにしています! (2020年7月12日 22時) (レス) id: aadbdb729c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月叶 | 作成日時:2020年7月8日 0時