＊ ページ29
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『…どうして。』
「なに…？」
『翔太とふっかはどうして、私を気にかけてくれるの。どうして突然近づいてきたの。私で…』
言いたくない言葉を、吐き出さずにはいられなかった。私の感情が死んでしまう前に、言わなくてはならなかった。
『私で…遊ぶのは、楽しい…？』
「ちょ、は、え？何？遊ぶ？何言ってるか全然わかんねーよ、わかるように言えよ。」
『ふっかと、どっちが先に私を落とせるか、みたいな嘘コクゲームでもしてるんでしょ？じゃなきゃ、私なんかに、近づく理由ないじゃん。私と翔太たちとじゃ、住む世界が違うんだから。』
ペラペラと言いたくもない台詞が、次から次へと出てくる。それと一緒に出てきたのは涙で、ぼたぼた、とひたすらに床を叩く。
「…はー。」
溜息をつく翔太が、ぎらりと目を向けた。その瞳に宿る感情は読めない。
「A、今の本気で言ってるわけ？」
『………。』
「…確かに、俺もふっかもちょっとだらしないとこあるよ。そこは誤解させてるかもしんない。だけど、流石にそんな嘘コクみたいなダサい真似はしない。お前に近づいたのは、本当にAといるのが楽しいから。それじゃだめなの？」
翔太が、少しずつこちらへと歩み寄る。
ああ、もう、どっちにしたって逃げられない。
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杏奈(プロフ) - キュンキュンしたり切なくなったり...素敵な作品でした！何気ないセリフだけど「馬鹿だな、俺のことはいいんだよ」にひゃーとなりました笑！はつ恋は実らない。も読んでいたのでやっぱり作者様の表現好きだなと思いました。これからの作品も楽しみにしています！ (2020年7月12日 22時) (
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作者名：月叶
| 作成日時：2020年7月8日 0時
