* ページ21
.
「何してたの?」
『あ、えと、さっきまでふっかと電話してた…』
「…そっか。」
『翔太くん、は?』
ふっかと電話してたこと、どう思うかな、とか思うことすら可笑しいかな。翔太くんは、私の事、どうとも思っていないのに。
はぐらかしたくて、聞き返した私に、どうか気づかないで欲しい。
「俺?さっき風呂入って出たとこ。」
『ちゃんと髪乾かした?』
「んーん、まだ。」
『風邪、引いちゃうよ。』
「面倒くさいじゃん。」
『その気持ちも、わかる。』
「だろ?」
ははは、と笑う電話越しの翔太くんにつられて、私も笑ってしまった。心の芯のほうがじんわりと温まる感覚は、君からしか感じ取れないものだ。
「ね、変なこと、聞いてい?」
『変なこと?』
少し間を取られて、その後。
「…ふっかと、何話したの。」
『え、?』
先程スルーされた話題を掘り起こされる。
どうして、そんなことを聞くのか、わかるわけもない。
翔太くんは、何故、私とふっかを、気にしているの?
「ごめん、やっぱ忘れて。」
『やだ。』
「へ?」
『忘れて、って言いながら、それを聞くのは、ずるい。どうして聞いたの、?』
大胆な発言だと思う。それでも、今、ここで聞いておきたかった。
.
446人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
杏奈(プロフ) - キュンキュンしたり切なくなったり...素敵な作品でした!何気ないセリフだけど「馬鹿だな、俺のことはいいんだよ」にひゃーとなりました笑!はつ恋は実らない。も読んでいたのでやっぱり作者様の表現好きだなと思いました。これからの作品も楽しみにしています! (2020年7月12日 22時) (レス) id: aadbdb729c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月叶 | 作成日時:2020年7月8日 0時