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『な、んで…?』
ふっかに好かれる理由がわからない。
今までの彼女たちとは似ても似つかないし…
あ、そういう感じの子に飽きたから、とか?
《んー、なんか、想像してた子と違ったから。》と考えてるうちに聞こえた。
《もっと暗い子だと思ってたんだよね、いつもどっか寂しいって顔してるしさ。でも、急に俺みたいなのが話しかけたら絶対ビビるだろうし。だからしょーたがあの日、話したのはラッキーだったね。》
へらり、と笑ってそうな声が、私の耳を侵略する。
『でも、』
でも、私は、翔太くんが−−−。
《でも、なに?しょーたがすき?》
核心をついたふっかの言葉に、ひゅう、と息を飲んだ。
なんで、だって、私、何も、言ってない。
《はは、正解、ってことだよね、その無言は。》
『なん、』
《この間の、見てたらわかるよ。俺そういうの分かっちゃうタイプなの。》
やっぱり見透かされていた。そういう能力が彼には備わっていて、私はまんまとその標的にされた。今までの恋バナ、とは何だったのか。全部最初からわかっていたんじゃないか。
《でもさ、見ててよ。俺、頑張っちゃうから。》
じゃあね、と切れた電話。翔太くんを取り入れた私の世界は、ふっかがムラサキを上書きしていく。
ブルーとムラサキが共存してしまった世界に、私が為す術はない。
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杏奈(プロフ) - キュンキュンしたり切なくなったり...素敵な作品でした!何気ないセリフだけど「馬鹿だな、俺のことはいいんだよ」にひゃーとなりました笑!はつ恋は実らない。も読んでいたのでやっぱり作者様の表現好きだなと思いました。これからの作品も楽しみにしています! (2020年7月12日 22時) (レス) id: aadbdb729c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月叶 | 作成日時:2020年7月8日 0時