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40(F) ページ20

リハが終わるとすぐ、仕事モードが切れた北山はスタジオを出て行った。

楽屋に戻ると、大倉くんと着替えが終わった北山が並んで歩いてきた。
すれ違いざま、俺の香りがまだついていたことに振り向きそうになった。

「なんかミツ、いい匂いしてたね」

千賀がすれ違った北山に手を振り、隣を歩く宮田に話しかけた。
どっかで嗅いだことあると言う千賀に、宮田は実は振り付け間違えたんだと話を逸らしていた。

ニカや千賀は先に帰って
俺は少し遅れる渉を待って楽屋で本を広げた。

「あれ? ガヤさん、まだいたのー?」

「ああ。渉待ってる」

「俺スマホどっかに・・・あ、あったあった」

カバンを置いていたところに落としていたらしい。
拾ってジーンズに入れてすぐに出て行くと思った。

「・・・あのさ、あの、・・・えっと」

宮田は何も聞いてこないけど
俺が北山に何かしたってことは気づいてるんだろう。
特徴的な鼻をポリポリ掻きながら言いにくそうに下を向いた。

「なに?」

なるべく優しく促すと
思ったより強い瞳が真っ直ぐ向けられた。

「ガヤさん。・・・心ってどこにあると思う?」

いきなり何の話だろう。思いながらも心臓を指し、ココ? と聞いた。

「そこにあるのは、酸素を吸って血を体中に送るポンプだよ」

ふんわりと優しい顔に見える宮田の顔はただの地顔で、今は笑っていなかった。

「心ってね、例えば、俺とガヤさんが向き合って、初めて俺達の間に生まれるんだよ。体の中にはないんだ」

宮田は手をぐっと握って、それを自分の目の高さまで上げた。

「何かを考えるとき、誰かを想うとき。そこに心が生まれる。・・・アニメの受け売りだけどね。その台詞、かっけーと思って、ずっと覚えてるんだけどさ」

手を開くと首の後ろを掻いて、癖のない笑い声でいつもの宮田の顔に戻った。

「だから・・・記憶よりも、今ある心で、向き合ってほしい」

それだけ言うと、逃げるようにじゃあまた明日ね! と宮田は出て行った。

誰と、なんて。
言われなくても分かって。

締め付けられる心臓に、やっぱりここにあるんじゃないかと苦笑した。

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SIZUKU(プロフ) - 仙花さーーん!いいんです!あっちも運命ガールも楽しんで読ませていただいてますから!笑 仙花さんの言葉選びや行間、表現の仕方が私にはしっくりくるんです。だから繰り返し読みたくて。伝える術が浮かばなくてこちらに笑 気長にお待ちしてます。 (6月24日 0時) (レス) id: a2eddefbd9 (このIDを非表示/違反報告)
仙花(プロフ) - SIZUKUさん» こんばんは。あっちではコメント返信機能がないのですが、いただくととても嬉しいです! こちらは大分放ってますね;;すみません;;;常々考えているんですが・・・。なんだかすみませんでした;; (6月23日 22時) (レス) id: de459dc7d4 (このIDを非表示/違反報告)
SIZUKU(プロフ) - 仙花さーーん!久しぶりに初めから、本当に初めから読み直しました。やっぱり好きです。このお話。仙花サンのコメディなお話も好きですけど、切り口が斬新と言うか。切なさがいい笑 また更新してくれたら嬉しいです。雪輔でした。 (6月23日 0時) (レス) id: a2eddefbd9 (このIDを非表示/違反報告)
仙花(プロフ) - 充瑠さん» こんばんは!書いてて、こんなセリフを思い出したので、宮っちに言ってもらいました。こちらの二人は向き合えてないので、これで少しでも素直になれるように。更新遅いですが、よろしくお願いします! (2月13日 20時) (レス) id: 714f9f17f2 (このIDを非表示/違反報告)
仙花(プロフ) - yikumiさん» こんばんは。宮田くんだから伝えられるかなと思いました。「心」が内側を向いたままの二人ですが、お互いに向けあえるよう…。こちらこそよろしくお願いします! (2月13日 20時) (レス) id: 714f9f17f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:仙花 | 作成日時:2017年10月14日 12時

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