仙道さんは、最強の女に夢中です。 (ページ42)

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2人の世界が終わるまでページ42

「うわぁ最悪…雨降ってるじゃん…！」

「駅まで走るぞ〜！！」

………しまった、傘忘れた…。

じめじめとした、嫌な天気

朝からそう思っていたが、

一か八かに賭けて

まぁ、見事に失敗…。

私は1人、

学校の玄関先で途方に暮れてました

どうしよ…

あの人たちみたいに、駅まで走る？

えぇ…ダルいなぁ…

“とうあ「ごめんA！呼び出しくらって…。」”

“らん「私も！今日の小テストやらかしてさ…。」”

『…なんでこう、2人揃っていないかね…。苦笑』

まぁ、でもいっか…

タオルはあるし

あとは転びませんように…っと。

覚悟を決めて、1歩踏み出した

その時

「待った。笑」

『っ…、………ぇ…？』

誰かに腕を掴まれ、

転びそうになりながら

後ろを振り向くと、

そこには

エナメルバッグを肩に掛け、

片手をポケットに突っ込んで

今日も爽やかな笑顔が似合う

『、仙道…さん…。』

仙道「久しぶり、元気だった？」

『ぁ、はい……、あの…部活は…？』

仙道「顔に“分かってるけど”って書いてあるよ。笑」

『………あ、越野先輩。』

仙道「えっ！？どこ！？………て、こら！笑」

仙道さんの、

お世話係()の名前を出すと

素早く私の後ろに隠れ込み

肩から顔を覗かせ、

辺りを伺う仙道さん

もちろん大嘘なのだが、

その必死さに

越野先輩の怖さが伝わってきた

『隠れれてないし、サボっちゃダメだし…。』

仙道「、傘は持ってないし。笑」

『持ってない！？！？』

仙道「うん。笑笑

1人で濡れるのはあれだけど

2人ならいいかなぁ〜と思って。笑笑」

本気で何を言ってんだ、この人…

『って、！うそ！？マジで…！？』

仙道「転んだら抱っこしてあげるね！！笑笑」

私の手を引いて、

勢いよく走り出した仙道さん

振り向いたその顔は、

見たことのないぐらい楽しそうな笑顔で

つられてこっちまで笑ってしまった

ピチャピチャ…

パラパラパラ…

パチャパチャ…

雨が奏でる音の中に、

私と仙道さんの笑い声も響いていた