程遠い数センチの距離 (ページ6)

今日:15 hit、昨日:22 hit、合計:7,101 hit

𝟢𝟣-𝟧⌇ ページ6

⁎

「あかん。嬉しすぎる。ほな今年も来るよね？？」

『うっ……いきます……』

「ほんと！チケット用意する！」

『それだけはやめて！』

思わず強く言ってしまったけど、裏口入場みたいな感じだからなにふぁむに申し訳ない。

ファンクラブ入ってるからちゃんとチケット当選して行きたいことを伝えると、

「そうやんな。ごめん。そやけど来てくれるのほんまに嬉しい！絶対見つけるから俺のこと見といてな！」

言えない。本当は藤原担として行ってるなんて…

『席は発券してからやないとわからへんからめっちゃ遠い席の可能性あんで？』

「大丈夫。Aちゃんのことは絶対見つけられるから」

せやから、絶対来てや？なんて念を押されたけどこれまで毎年行ってるのに見つけられてないじゃん…なんて思ったけどこれは言わないでおこう。

「あ、そうや。ライブ来てくれてたんならグッズある？？見る限り無い感じやけど……」

『………あ、いや、それは……』

その時、コンコンとドアが叩かれる音がした。

和ママ「もうじきご飯できるから降りておいで」

「『はーーい！』」

和也ママありがとうございます泣
おかげで問い詰められることがなかった笑

食事中はママたちと色々なお話をして楽しく終わった。

部屋に戻ろうとする私についてきた和也くん。

「さーて、どこに隠してんのかな笑」

和也くんって昔からSな一面あるよね笑

どーしよう正直にいうか……？隠し事はしたく無いんだけど、悲しんだらどうしよう……悲しませたくない……

『……和也くん。怒らんとって聞いてほしい。』

「ん？？なになに？怒らへんから言うて？」

その返事を聞いて、私は立ち上がってクローゼットの奥にしまってある箱を出す。そこには私が今まで買ったグッズが入れられてある。

「ちょ…それって……」

『そうなの……ごめんね……和也くん』

「全部丈くんやーん！！！！

Aちゃん丈くん推しなん！！！」

『ちょっと！和也くんシー！近所迷惑になっちゃうって……』

「あ、ごめんごめん。予想してへんかったからつい…」

『でもね！ちゃんと和也くんのグッズもあるから！ほら！』

うちわだけじゃん……見るからに拗ねてしまった

『友達が大橋担やからさ！被らへんようにしただけよ！』

慌てて慰めの言葉をかけるけど、無意味だったみたい。一度拗ねてしまったらちょっと長いんだよね…和也くん笑