程遠い数センチの距離 (ページ5)

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『ねね、和也くん。今日から和也くんはわたしの彼氏ってことやんな？』

「あったりまえやん？逆に彼氏やなかったら何？笑」

『なんか、全然現実感なくて……』

「ふーん。ほな、こうしよか？」

スマホを取り出した和也くんは、カップルでカレンダーをシェアできるアプリを開いた。

「これに、お互いの予定を入れて、いつでも確認できるようにしよ？」

『絶対和也くんの予定で埋まりそう。笑』

アプリをダウンロードし、それぞれの予定を入れた。

「ちょ、Aちゃんバイトばっかりやん！ヘーキなの？？」

『うーん、平気って言うたら平気とちゃうんやけど……』

家にいても暇だからという理由で空いた時間を全部バイトに当ててた。

『和也くんだって明後日から連勤やん！ほら！』

カレンダーには緑色で色塗られた予定がびっしり。

それぞれの予定の色分けは、和也くんがメンカラの緑。わたしは好きな色の水色にした。

密かに丈橋♪と思いながら笑

「俺はもう大人やから大丈夫！Aちゃんはまだ学生やん！学生は遊ばな！」

『和也くんのライブのために備えてんの！今年はいっぱい行くって決めたんやから！』

「え！！来てくれてたん！？」

ずっと秘密にしてたのに口を滑らせてしまった。

『な、なんでもない！今の言葉聞かなかったことにして！』

最初は恥ずかしくて断ってたコンサートのお誘い。でもやっぱりアイドルしてる和也くんが見たくて、密かにファンクラブに入っていた。運良く毎年チケットが当選したからなにふぁむの友達を誘って行っていた。

もちろん、誰にも和也くんと幼馴染だということは言っていない。一生隠し通していくつもり。

_______ただ、大橋担ではなく。藤原担としてコンサートに参戦している。