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天女は山で倒れており、上級生が実習をしている際に発見されたそう。

 血管が透き通るような細い腕、足はすらりと長く、彼女はまるで人形のような端整で桃色と白色の召し物を着る様は、この世のものではなかった、本物の天女であったと。

 発見された当初天女はあばらが見えるほど痩せており、意識もなかったため忍術学園に運び込んだ。
 上級生・下級生関係なく順番に世話をし、ようやく歩けるようになったころから忍術学園の仕事を始めたという。

 初めはくノ一ではないかと考えられたが、忍術のことについて一切の知識がなかったこと情報がなかったということから保護という形で天女を受け入れた。
  教員・生徒とも友好関係を築き、下級生ともうまくやっていたとのこと。特に三年生との仲が良く、生徒たちは姉のように慕っていた。名を鈴蘭という。その名のごとく鈴を転がすような声で生徒の名を呼んでいたという。

 そして、ある日を境に天女は上級生の長屋にいる時間が多くなり、いつの間にか天女用の住まいが六年生の長屋近くに建設されていたということだ。

 先生方からの話によると、天女は本当にこの世のものではないらしく、忍たまたちのことを知っていたと上級生に話しているところを聞いたそうだ。

 上級生が天女と一緒にいる時間が多くなり授業にも出なくなり、そのことを注意しに行った教員に対して暴力をふるったのだという。

 その出来事がきっかけか、天女は上級生になにかを命令し上級生の長屋を壊し、くノ一教室の物品を奪い去り六年生から四年生の生徒を引き連れて闇の中に消えてしまったのだという。

 現在捜索しているが、忍術学園の安全のため先生方は大人数での捜索ができていないのが現状らしい。

「まだ捜索を始めてから日は浅く、情報は少ない。そこで、おぬしたちの忍者隊に依頼をしたのじゃ」

 天女についての情報はうちの忍者隊でもあまりなく、それでも探すよう指示を出している。

「状況はわかりました。ひとまずは忍術学園内で情報を集めることに徹し、現在捜索されている先生方と交代し学園外の情報を集めるということでよろしいでしょうか?」
「うむ、それでは今より忍術学園に戻るまではタソガレドキ忍軍組頭、雑渡混奈門の命令を聞くように、以上じゃ」
「御指示を承りました。雑渡混奈門殿の命令を依頼主の言葉としてお受けいたします。それでは失礼いたします」

3話-1 タソガレドキ領へ行こう→←2



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作者名:シャビ | 作成日時:2023年12月27日 23時

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