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さっきの女性に言われた雑魚寝をするところに行くと、私以外全員寝ていた。
寝ようと思い、布団には入るがどうしても眠ることができない。
初めての場所すぎて安心できないというのもあるし、なんだかソワソワもする。
ちょっと体動かしたら眠れるかなぁと思って、いったん城外に出てみることにした。
私が忍びであると知っているあの4人に伝えたかったのだが、いなかったので女中として門番に許可をもらい城を出た。
よし!体動かすぞぉ。
でも、できるだけ早めに城に帰ろうと思い林の中へ走っていく。
「この場所はよさそう、あの木を的にしよう」
ただひたすらに、飛苦無という、苦無を投擲用に改良したものを、30メートル以上先にある木にむけ、ひたすら投げていた。
そして最後のを投げ終えて、的である木に走っていく。
「的に刺さっているのは二つ、他の木に当たってるのは三つか」
他のものは、周りの草むらに落ちていたり、木の枝に引っかかったりしていた。
この的中率じゃ、実践では使えないなと思い、へたりと木の根に腰を下ろした。
やっぱり、へたくそだ。
忍者に生まれなくてよかったなぁと心の底から思う。
本当のくノ一として生まれたなら、きっとすぐに野垂れ死んでいただろうと思う。
「ちょっと眠くなってきたかも」
そろそろ、寝れそうと思って重い腰を上げた時、人の気配を感じ取った。
誰? 只者じゃない……。すぐに城に戻っほうがいいかもしれない。
強敵ならタソガレドキに迷惑をかけてしまう、ここで、戦うしかないのかな。
右手には懐剣を持ち、左手はすぐ飛び道具を出せるよう懐にしまったまま。見渡しのいい場所に移動した。
気配は一つ。おそらく、男。1対1で勝てる自信はないのでどうにか奇襲を仕掛けたい……!
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作者名:シャビ | 作成日時:2023年12月27日 23時