七色の太陽～scene２～ (ページ10)

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「・・・ガム様に・・・

名乗れる名前など・・・持ち合わせておりません・・・

狐で、いいんです。」

俺の勘違いやろか…
狐は、やっぱりガムと話す時だけものすごく腰が低い。
言葉遣いも丁寧で、

なにより、ものすごく辛そうで悲しそうや。
きっと、昔の名残なんやろうなぁ。

「なら。狐。

俺とやりあった日、誰を狙ったんや。

俺ら始末屋を狙ったからああなったんちゃうんか？」

エースは相変わらずのド直球。
けど、遠回しに聞いても意味ないかもしれん。

「それを知ってどうするの？
私の仕事と、あなたたちの仕事は関係ないわ。」

「関係ない？

ガムの兄貴はガムを狙ってんやろ！？

その兄貴に奉仕しとるくせに！！関係ない事あらへんやろうが！」

エースはガッと狐の胸倉を締め上げた。

「エース！！エースッ！！」

「なんや！！放せやトッポ！！

コイツにはでっかい借りがあんねん！締め上げてでも聞き出したるわ！！」

ジャッキーも加わって、狐から引き離す。

「ケホケホッ・・・っつ・・・カハッ！！」

と、その勢いで狐が膝をついた。
そして苦し気に咳をしたかと思うと、

「吐血！？・・・ッジャッキー！、マック！お願い、取りあえず医者呼んで！」

ガムが倒れそうになる狐の体を支えると、狐は肩で大きく息する。

「ガム様・・・放っておいて・・・下さい・・・

あなた・・・を、巻き込むなんて・・・できませ・・・」

途切れ途切れに言葉を紡ぐ狐の目にはもう、殺気も同業らしい色もうかがえない。

「あの頃の・・・私の記憶で・・・留めて下さい。

どうか、

離れ・・・て・・・。」

そのまま意識を失って、どれだけの痛みを抱えていたのか、狐の顔からは血の気も消え
荒い呼吸を続けるだけやった。

「エース、とにかく今は医者に狐を診せよう！

このままじゃ、狐は死んでしまうよ！！」

俺は怒り心頭のエースをなだめて、マックに言った
マックはすぐさまかかりつけの医者に電話、ガムは店の事を考えて自分の部屋を貸すっちゅうて
狐をドアが壊れたままの自分の部屋に連れて行った。

エースは納得いかん顔のまま酒を煽りだしたけど、飲んでるうちならまだええわ。

ものの数十分で医者はやってきて、

「またお前らかい。」

と皮肉を言った。

そして、

その先にちょっとした試練が俺らに待っていた。