七色の太陽～scene２～ (ページ5)

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車に全員が揃ったところで、すぐざま俺らは現場を離れた。

遠くにヘリが旋回してるのを背に、一人人数を増やして・・・

早急に離れる子とに重点を置いてたせいか、俺の膝の上には狐の姿。
なんとも異様な光景や。

「おい！ガム！」

運転しながらエースが叫んだ。

「狐、どうすんねん！？」

「預かった。ドクがしばらくしたら迎えに来る言うてた。

それが、新しい依頼やって・・・どうしてもかくまって欲しいらしい。」

はぁ？っと方々から聞こえた。

「店についたら詳しく話すよ。今は、はよう離れて・・・」

とにかく、
あそこを離れたかった。
ドクの声が、いまだに耳に残っとる。

そして、アキラの声も。

「あと・・・さ。

悪いんやけど、すぐ医者呼んでもらえん？？」

「ガム、怪我したの！？」

トッポが俺を心配して助手席から後ろを覗き込んだ。

「いや、俺やない。

コイツ、前回やりあった時に多分怪我しとる。
相当深く蹴りが入ったんや。それから日は経ってない。」

「なんや！狐のか！そんなんほっとけや！！」

「エース、前向いて運転して！！」

狭い車内でやんや、やんやと言い合いが始まる。

「まてや、ガム！狐をかくまうなんて聞いへんぞ！どないするねん、マック！」

「ジャッキー！耳元でデカい声出すな！今考えとる！」

「取りあえずさ、店に戻ってから考えたらいいんちゃう？お腹へらん？」

「ジョニー、お前は悠長過ぎんねん・・・俺は店に連れてくんは危険やと思うで？」

「じゃあ、アーセナルはどうしたいんよ！」

ぎゃあぎゃあと車内が急に騒がしい。
その声に反応したんか、

俺の腕の中で小さなうめき声がした。

「うっ・・・あぁ。」

「あ・・・」

狐は苦しそうに体をよじると、後頭部に手をやった。
ああ、そうか、ずっと被りっぱなしの面が苦しいのか・・・そう思うて俺はなんのためらいもなく
その面を頭にずらした。

ーーーーーー！！

うそやろ・・・マジか・・・。

俺の中の狐は・・・アキラの幼少期のままで止まっとった。
せやからあの声を聞いたとき違和感しかなかったのに・・・

今俺の腕の中には、全く知らん女がおった。

真っ白な肌に、長いまつ毛。

頬と口元にはあざがあるが、通った鼻筋と全体のバランスがそれを気にさせないほど
美人だと言っている。

面を取ると、苦しさから解消されたんか女はひそめた眉をほどいてまた意識を手放した。