背中合わせの2人。(ytym)

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ym.side






単独表紙に大きく書かれた四字熟語が、ずっと離れない。嬉しいはずなのに、いや、嬉しいよ。そうなんだけど、そうじゃないような気持ち。複雑。でも、普通に嬉しいし、かっこいい。


『予約した分と合わせて10冊買ったよ。表紙おめでとう。』


っと。
電撃復帰。街中の大きなビジョンにも、携帯のネット記事にも、手の中の雑誌の表紙にも。全てに書かれている文字が、ゲシュタルト崩壊しそう。
女子社員さんは、どう思うんだろうか。やっぱり嬉しいのかな。嬉しいに決まってるよね。
足が勝手に本屋に向かって、5冊また買ってしまった。何故か、買わないといけない気がした、というか、裕翔くんが『買って？』と言っている気がする。


『ケイ、復帰だって！』
『やばいね！世代交代かな？！』


なんて声が会計を待つ列で聞こえた。世代交代って…。ケイさんの方が歳上だよ。今迄裕翔くんをチヤホヤしてた癖に。
中性的でミステリアスな雰囲気、ケイさんが人気な理由は手にとるようにわかる。でも、裕翔くんにも唯一無二な魅力があるのに。






「僕の中ではずっーと、1番だからね！」

14冊は保存用で、追加で注文した分も後で保存。1冊は愛でる用、裕翔くんの家の大きなソファに体育座りして膝の上の表紙できめてる裕翔くんに念を押した。




「……っ、かっわいすぎるでしょ！」

横から衝撃がきたと思ったら抱きつかれた。
なんで本人は大型犬みたいなんだろう。

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