７１ ページ22
誰もいないエレベーター乗ったら、
力が抜けた。
この仕事が終わったら、
オークラとはもう会えない気がする。
これでいい。
これでいいんだ。
アイツの背中を追いかけるのは、もうこりごり。
なのに。
この気持ちが消えることはない。
それだけはちゃんと知ってる。
泣かないように、
唇をかみしめた。
エレベーター降りたら、
ヤス君が待っててくれた。
はにかんだ笑顔。
この人を好きになる。
好きになりたい。
大丈夫。
ヤス君なら・・・
きっと好きになれる。
誰もいない市役所のホール。
ヤス君と並んで歩き出した時。
「・・・A！」
階段の方から、
大声が聞こえてきた。
思わず立ち止まって振り返る。
「行くなや！」
オークラが、踊り場で叫んでる。
なりふり構わず、
必死の顔して・・・
何してるの？
こんなとこで・・・
「A、・・・お前が好きや」
時間が止まる。
私を好きって、初めて言葉にしてくれた。
それだけでもう何もいらない。
オークラは、綾子さんと結婚しなきゃいけないんでしょ？
だから、好きでもどうしようもない。
気持ちだけもらえたら、
それ以上望んだらいけない。
悲しい気持ちのまま、
視線が絡まり合う。
身動きなんか出来ない。
切なさで、息するのさえ、忘れてしまいそう。
どれぐらい、そうしてたんだろう。
「立場なんか絶対に超えてみせる。
絶対にお前だけは守るから。
やからどこにも行くな。
・・・俺んとこ来い」
言葉は乱暴なのに、オークラの声、優しい。
まっすぐ私を見つめてる目。
アイシテル
確かにそう、聞こえた。
オークラの向こうに、
社長の姿が見えた。
心底、呆れた顔してる。
そのまま、私たちに背を向けて、
また、会議室の方に戻ってく。
オークラは、ずっと、
私のこと、想ってくれてた。
私じゃダメだって、
社長に反対されてたから、
気持ち、伝えてくれなかったんだ、って、
やっと気付いた。
オークラがずっと悩んでた事。
自分の不安ばっかりで、
何にも知ろうとしなかった。
どうしたらいい？
私・・・
「Aちゃん、行ってあげ」
ヤス君が私の背中をぽんと押す。
「ヤス君？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1094人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
westlove07301219(プロフ) - メリーゴーランドパスワードかかってるんですがいつ外す予定ですかね？すごく好きな作品なのでみたいです！ (2017年6月19日 11時) (
レス) id: 9fbeff56e3 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - オークラサイド楽しかったです。ホントにお付き合いできて良かった……その後も楽しみにしてます(^-^) (2017年6月15日 22時) (レス) id: f2bb10f872 (このIDを非表示/違反報告)
ami_kyuso02(プロフ) - そうなんですね！！失礼しました…おもしろくて誤字脱字を気にすることなく読み進めていたので全く気が付きませんでした(´・ω・`；)更新を楽しみにしています！！！ (2017年6月12日 21時) (レス) id: cc8e9abb6f (このIDを非表示/違反報告)
ami_kyuso02(プロフ) - 更新楽しみにしてます！！ただ、更新されず通知ばかり来るのでちょっとがっかりしてしまうこともあります…どうにかならないですかね…？失礼を承知でコメントしています。申し訳ございません… (2017年6月12日 21時) (レス) id: cc8e9abb6f (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - はじめまして。楽しく読ませてもらっています。続きがきになります。大変だと思いますが楽しみにしています(o^^o) (2017年6月12日 11時) (レス) id: 614b07395b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fool x他1人 | 作成日時：2017年6月11日 15時
