アイツの背中 １２

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「あれって？」

「あれはあれ。
大事なもん。
結婚して浮かれて、俺の二の舞になるかなぁって。
一応聞いたら、
やっぱ結婚したのに準備なんかしてない言うねんもん」

忠義がそんな事、言うから。

答えに詰まる。

なんて言うのが正解？


忠義が本物の大学生男子みたいに見えてきた。

そんなこと、こそこそしてたなんて。


でも、大事な事でもあるよね。

命は重いから・・・


「結果的にはあかんかったけど。
俺は後悔してないねんで？
赤ちゃんが一度でも来てくれて、
めっちゃ嬉しかったし。
けど綾子のお兄さんは、
そんなん許してくれへんやろなって」


「そうだよね・・・
ヤスくんらしいけど、
ダメだよね・・・」

「ごめんな。
辛い事、思い出させて」

忠義が抱き寄せてくれて。


「辛くないよ。
私にとっても、
赤ちゃんが来てくれたのは、
幸せだったから」


「はよ、来月の披露宴の日にならんかな。
また赤ちゃん、ここに来て欲しいな」

私のお腹触ってくる。

「入籍やねんけど。
披露宴の次の日から、
一週間休みやろ？
翌日に行こ？
その次の日からプーケットやしな」

新婚旅行はプーケットに行くんだ。


新しいホテルを建てるんだし、
私もどんなところか見てみたくて。


すっごく楽しみ。

「忠義は仕事で何回も行ってるのに、
本当にプーケットで良かったの？」


「うん。
めっちゃええとこやから、
Aを連れて行きたかってん」

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