アイツの背中 １１

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もう真っ赤になってる。




デザートは桃を社長が切ってくれた。

これは桃子ちゃんの桃？

絶対にそう。

最近、社長はピンクが好きだ。


桃を食べながら。


「実はな、今日また改めて、
会社の方から、
時枝タケルさんにプーケットのリゾートホテルの設計をお願いしてきてな。
仕事、受けてもらえることになった」

忠義のサプライズ発表が。


みんなから思わず拍手。


「その条件があってさ。
Aと、出来たら俺も。
アシスタントにつけることって・・・」

そこでみんな、ぽかーんてなった。


「ごめんな。
レインボー事務所には迷惑かけるけど。
しばらくAをスカイホテルに貸して下さい」

忠義が社長に頭を下げた。



あんまりに驚き過ぎてて、
声も出ない。


昨日、時枝さんが私たちの設計図を褒めてくれたのは、社交辞令かとばかり。


「あんな人の下で働いたら、
絶対に勉強になるわ。
行っておいで。
もともとAちゃんは頼み込んで来てもらってただけやし。
結婚までいうんが少し早まっただけやもんな。
うちはまた人材募集して何とか・・・」

社長がそう言ってくれた。

綾子さんが意を決したみたいに。


「私がAさんの代わりにここで働いてもいいですか。ブランクあるけど、出来る限り頑張ります」

きっぱりそう宣言した。

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