アイツの背中 １１

７４ ページ43

いじめてるのに、優しい声。


「うん。足りないよ・・・？
忠義が・・・」


そこまでで、声が遮られた。

忠義から、重ねられて。


何度かついばむようにして、
確かめた後。

急に深くなった。


息が止まりそう。

腰が引ける私を忠義の長い腕がきつく引き寄せて、
カラダがこれ以上ないぐらいに密着した。

忠義が私を欲しがってるのが分かる。

私ももうとっくに・・・


濡れた唇に人差し指で触れた私に。


「キスだけでこんななって。
ほんまやらしいな・・・」


そう言って、満足そうに微笑んだ。


「どうなってるか自分で分かってる？
確かめよか？」


私の浴衣の帯を忠義が解いた。


お風呂上がり、中には何もつけてない。


「もうすごい事なってる・・・」


忠義がため息をもらした。

恥ずかしくて、
顔見られたくなくて。


忠義の肩に顔をうずめて隠す。

だけど許してくれなくて。


「ちゃんと、そのやらしい顔、見せとけ」


少し、身体を離された。


じっと見つめ合う。


痛いぐらいの視線にさらされて。


胸がまたきゅうって鳴いた。



忠義だって・・・


いつもとは違う、オトコの顔してる。

こんなに私を求めてくれてる。


「もっとキスして欲しいんやろ？」


そう聞いた忠義の浴衣の帯に手をかけながら。

自分から唇を重ねてく。

７５→←７３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す