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綾子さんが叫んだ。
高坂さんが愕然として、
私と写真の女のコを見比べてる。
「こんなに似てるのに?
別人なわけない・・・」
震える声で呟いた。
私とこの写真の女のコを重ねてるんだ・・・
自分では似てるかどうかよく分からない。
「似てないよ。
よく見て」
綾子さんが写真を拾い上げて、
高坂さんの目の前にかざす。
「似てるじゃない。
別人だったとしても。
この女も凛と同じに決まってる。
大倉先輩の見た目とお金だけが好きで、
弄んで・・・」
もてあそぶ?
あの忠義を?
なにか誤解してるんじゃないかな。
床に落ちた他の写真から、
高坂さんがまた針を引き抜いた。
「この人が大倉先輩にとっての凛の代わりなら。
やっぱり凛じゃない」
針先が目に向かって、ゆっくり近付いてくる。
恐怖で身体が凍りついてく。
どうして、身体が動かないんだろう。
怖くて・・・
綾子さんも、高坂さんのお母さんも、
誰も身じろぎも出来なくて。
息を止めたみたいに静まりかえってる。
目を閉じた時。
ドアを激しく叩く音が聞こえた。
「A!」
忠義の声だ。
慌てて立ち上がって、
玄関まで転びそうになりながら、急ぐ。
急いでるけど、
身体が強張ってて。
うまく動かなくて。
追いかけてきた高坂さんの指が、
背中のあたりに触れた。
怖い。
震える手でドアノブに手をかけた時、
ドアが外側から乱暴に開いた。
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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2017年8月14日 10時