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「お昼食べながら仕事してるのに、
そんな時間あるわけないじゃん」
周りに誰もいないと、私の口調もぞんざいになる。
バッグの中から口紅出して、
塗り直そうとしたら、
ぱっと取り上げられた。
「こっち向け」
そう言うと同時に、
至近距離でじっと見つめられる。
うわあ。
唇にやらかい感触。
信じられない事に、
オークラが私の唇に、口紅を引いてる。
「動くなよ」
じっと見つめられて・・・
息が止まりそう。
ちょっと。
どうしてこんな事するの？
不覚にも、ときめいちゃうじゃん。
「よし。
可愛い」
なんでそんなセリフ、簡単に使うの？
いつもは私なんか女扱いしてないくせに。
「そりゃどうも」
ここで恥ずかしがって、
黙り込んだりするのがセオリー。
分かってんだけど。
封印したんだ。
恋だの愛だの、
面倒くさい感情は。
打ち合わせはうまくいった。
プレゼンの時から、
ここの女社長が、
オークラをしごくお気に入りなんだ。
なんなら、いやらしい目で見てる気がする。
女社長は年の頃は４０過ぎかな。
めちゃくちゃ洗練されてて、
女っぷりがいいという表現がしっくりくる。
帰りのエレベーターの中。
オークラと二人きりの無言にたえられそうにない。
この密室感。
空気が心なしか薄い気がする。
オークラ、なんで何にもしゃべんないんだろ。
仕方ないから、
私から話題をふることに。
でも何を話せば？
ちょっと考えて。
「富田社長、オークラの事、お気に入りだね」
からかってみる事にした。
「せやな。
利用出来るもんは利用せんとな。
この仕事が成功したら、
うちも成長のチャンスや」
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miho(プロフ) - どのお話も面白くて毎回楽しみにしてます！次が早く読みたいです! (2017年6月10日 10時) (
レス) id: 042562a3bb (このIDを非表示/違反報告)
^o^(プロフ) - 亮ちゃんの方も読ませていただきましたが、すごいお話に引き込まれました！続きが楽しみで楽しみで！更新楽しみに待ってます。 (2017年6月7日 18時) (レス) id: 19303c9d1e (このIDを非表示/違反報告)
クララ - この先がドキドキです♪更新楽しみに待ってます(о´∀`о) (2017年6月3日 3時) (レス) id: c896e42c6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2017年5月30日 15時
