二十九話 ページ30
ブブブ…、と講義中に携帯が鳴った。
それは私だけではなく、ちらほらと携帯を確認する子達が見える。
何だろう、メール？
『…えっ！』
メールを確認してびっくり。
件名には何も書いてないし、本文も無し。一枚の写真が添付されているのみ。
一斉メールだったらしく宛先には何十人ものメールアドレスが表示されていた。
それだけならまだいい。ただ、その写真というのが問題だった。
『これ私…と先輩…』
小さく呟く。顔は若干ぼやけてるけど、女性の着ている服が私のものだった。
昂輝先輩の方はぼやけてないから一発で分かる。
脳内に浮かんできた言葉。
やべぇ。
え、これ真面目に大ピンチじゃない？
てか私はこんなことなるかもしれないって分かってたし、リョウちゃんと従兄妹な時点で色々あったからメンタル的には全然大丈夫なんだけど。
昂輝先輩のほうが心配だ。こんなのがあと何十人に送られているんだとしたら、すぐに広まってしまう。先輩はほら、有名だから？うん。
隣に座っていた友達が私の服装を見て、「これA？」と聞いてくる。
それ私だね〜、誰が撮ったのかなぁ。犯人探しもいいけど、とりあえず先輩の芸能活動に支障をきたさないよう願うしかないか。
マスコミとかに知られたらどうなるんだろう。これ頭撫でてる写真だし、かんっぺきにバレるよね。
色んなところから視線が……。
そんな見られるのは慣れてないし、どれも悪意ある視線で困っちゃ〜う！
……言ってる場合じゃないな。頭おかしくなったかも。
『先輩…』
ーーー
昂「A！」
『先輩、何もされてないですか？大丈夫ですか？』
昂「それはこっちの台詞だ。まぁ、いつかこうなるだろうと思っていた」
『肝が座ってますね〜。私もそう思ってました！』
先輩との会話に安心する。
これで「別れよう」とか言われたら絶対泣いてた。
携帯を持ってチラチラと私達を見る人が多い。
あー…やっぱり分かるよねー。
涼「盗撮は犯罪なんだけど？」
剣「リョウ、そんな怒るなって」
『あれ？リョウちゃん達も知ってるの？』
リョウちゃんは自分のスマホを私に見せてくれた。
同じメールだ。誰から送られてるんだろう。
全然知らないメールアドレスだし…。
「あ、いた！！！」
『おぉう、びっくりしたぁ』
ぞろぞろと綺麗な人達が近づいてくる。
アッ、終わった。
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猫月-ﾈｺﾂｷ-(プロフ) - とてもいい話でした！毎回思いますが、話もいいですが裏設定も凄く良いですね！！これからも頑張ってください！ (2018年9月10日 23時) (
レス) id: e584b4d054 (このIDを非表示/違反報告)
猫月-ﾈｺﾂｷ-(プロフ) - ありがとうございます！頑張ります (2018年8月16日 22時) (レス) id: e584b4d054 (このIDを非表示/違反報告)
宍戸(プロフ) - 猫月-ﾈｺﾂｷ-さん» 昂輝くんのSはいいですよね！短編集見ました！更新待ってます^^* (2018年8月16日 15時) (レス) id: 3d8cd24796 (このIDを非表示/違反報告)
猫月-ﾈｺﾂｷ-(プロフ) - コウくんがS に……！そうだ、短編集を作って見ました！宍戸様、また見てくださいね！ (2018年8月16日 14時) (レス) id: e584b4d054 (このIDを非表示/違反報告)
猫月-ﾈｺﾂｷ-(プロフ) - ありがとうございます！楽しみにしててくださいね♪ (2018年8月15日 17時) (レス) id: e584b4d054 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宍戸 | 作成日時：2018年8月10日 18時
