【WT】小さな恋愛がいっぱい【短編集】

☆shk　年賀状 ページ19

『…来た！』


2階の自室の窓から郵便局の配達員が見えたことを確認すると、私は急いで階段を駆け降りた。


『あ、年賀状もらいます！』


手渡しで年賀状の束を受け取り、私はリビングへと向かう。
ウキウキしながら年賀状の名前分けをする。
私の年賀状は10枚くらい…かな


『これは…きりやんからで…こっちがぶるーくので…』


宛名を見ながら、誰から来たか確認する。
幸いリビングには私1人だ。


『あっ…』


ふと1枚の年賀状が目に入った。


『シャークん…！』


片想いの彼に"年賀状を出したい"とお願いしたら、まさかOKをもらえるなんて思ってもいなかった。
裏返して見ると、シンプルな文章が。


shk"あけましておめでとう。
今年もよろしく。 またLIMEする"


これだけの短文だが、私は嬉しくなってしまった。
リビングでニヤニヤしている私の顔は、家族の誰にも見せられない。


『シャークん、ありがとう』


そっと声に出して呟いたその時、携帯電話が震えた。
誰からだろ……シャークん！？


『はい、もしもし』


shk「あ、俺です。えっと…あけましておめでとう」


『おめでとう、今年もよろしくね！』


shk「年賀状で言えなかったことがあるんだけど、言ってもいい？」


シャークんはふぅーっとため息を1つついてか言った。


shk「Aのことが好きです、付き合ってください」


新年早々、こんなことってあるんでしょうか？
今年は特別な年になりそうです。

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