壱馬side ページ35
あれから色々上手くいかなくなったオレは、仕事を辞めた。
部屋の中には散々に散らばった服、床に落ちてる沢山のゴミ。
キッチンを見るとごちゃごちゃに散らかってる。
何もかも面倒で、大好きなゲームも漫画も手を出さなくなった。
食事も、常にコンビニ。
全てが崩れていった。
オレは、何を取り柄に生きてるのか。
ただただ時間だけが過ぎ去っていく日々。
それでも食っていくには生活費が必要で、最近バイトを始めた。
それでもバイト内の人間関係が面倒くさくてそれすら憂鬱。
女「壱馬くん!今度ご飯行かないっ?」
女「飲み会一緒に行こ!!」
女「これ作ってみたんだぁ。食べてね♡」
気持ち悪い。吐き気がする。
皆オレの外見しかみてない。
みんな、オレの顔にしか興味が無い。
みんな、みんな、、、
唯一、本当の意味でオレを見てくれたのは、
Aしかいなかった。
Aがいなくなってから、俺の全てがどんどん崩れていく。壊れていく。
Aがいなくなった世界は、色がくすんでて、寂しかった。
今更後悔しても、もう遅い。
Aを傷つけ、貶めたのは紛れもなく俺だ。
Aが俺の名前を呼ぶことはもう二度とないだろう。
Aのあの笑顔を見ることすらもう出来ない。
そう考える度に、心が蒼く傷んでいく。
女「ねえ、今度あそこ行ってみない?」
女「あー、前言ってたやつ?」
女「そーそー、BIGCITYRODEO」
BIGCITYRODEO?最近よく耳にする、夜の街のトップに君臨する有名なクラブだ。
女「あそこのトップがどうこうって言ってたよね」
女「そー!GENERATIONS。」
じぇね、れーしょんず??なんやそれ。
女「あそこね、男7人で元々結成されてたんだけどね、半年くらい前に女の人が入ったの。」
女「え?男の中に?」
女「そう。その人は男女関係なく虜にしてしまうって有名でさ。あの人の作るお酒めっちゃ美味しいらしいし、リピーターえげつないらしい」
女「へぇ。やるやん。」
女「そう!しかも、男の人に負けないカッコ良さなんだって!!行ってみたいなぁ」
女「なんか気になってきたかも。」
女「でしょ?行こ!」女「うん。行ってみる!」
女「ちなみにその人名前なんて言うの?」
女「うーん、そこまではわかんない。でもある噂が流れててさ」
女「噂?」
女「そう。なんかその人さ、元々はあんなカッコいい人じゃなかったんだって」
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作者名:はるのすけ | 作成日時:2020年9月29日 18時