襲撃 ページ31
.
『" 緊急指令！！緊急指令！！！ "』
突然、耳に装着していたインカムから 酷く焦った声が響いた。
真っ暗だった辺りは、大きなサイレン音と共に赤いランプが点滅した。
「な、なんだ……！？」
パニックを起こし始める爆豪の顔の前に、手の平を見せて静止の合図を出す。
私だってこんなの、10年以上いる中で初めてだ。
緊急時、というものは慣れているが、流石に完全に慣れることなんてない。
私は震える手で、インカムに触れた。
『……こちら25100。状況の説明を願います』
『" 34896です！！今、何者かによって
『転送システムが、！？それよりも被害を受け＿＿＿』
『" き、聞こえますか！？25100、僕の声が聞こえますか！？応答願います！！ "』
何者かに通話を遮されたらしい。
プツリという音の後、私の声はインカムを通して彼の耳に届くことがなくなった。
緊急時だというのに、やけに人の少ない本部。
連絡又は通信手段の妨害を受けた私たちは、前にも後ろにも行けなくなった。
「お、おいA！どうすんだよこれ！」
激しく鳴るサイレン音に、爆豪は負けずと声を張った。
ハッとした私は、必死に頭を回転させながら足を進めた。
「おい！どこ行くんだよ！！」
早歩きで行く私を、爆豪が走って追いかける。
「何を考えてンだよ！まずは司令官ってヤツのとこに行かねぇと何も始まんねぇんだろ！？」
「〜ッうるさいな！！司令官は今第三支部にいて本部にはいないの！！
司令官のいない間の襲撃で この状況の最善策を考えているんだから、少し黙っていてくれないか！！！」
しつこく聞いてくる爆豪と、気遣いもない激しいサイレン音に 脳内が麻痺してくる感覚に陥りそうになり、
ぴしゃりと怒りのままに言葉を放つ。
爆豪の安全を優先するか？
いや、それよりもまずは襲撃してきた敵を探すか？
敵連合か？それとも新手のハッカーか？
違う、そんなことはどうでもいい。
私がすべきことは、早く敵を見つけて抹殺すること。
でも、そもそも敵の居場所を特定するのは
混乱する頭の中、一つの声が耳に響いてきた。
『" ＿＿＿＿＿＿待ってたわ、25100 "』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 395人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑞樹(プロフ) - この作品大好きです！ 更新を楽しみにしています！ (2022年12月8日 20時) (
レス) @page39 id: 92b8932be0 (このIDを非表示/違反報告)
フユフユ - これ最後夢主ちゃんとかも幸せになって欲しい (2022年6月26日 21時) (レス) @page29 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
むらかみ。(プロフ) - 新作待ってました！前作楽しませて読ませていただきました！！突然で申し訳ないですが、イメ画描かせてもらってもよろしいでしょうか？少し遅くなってしまうかもですが…(失礼)更新頑張ってください！！応援してます！！！！！ (2021年12月29日 20時) (レス) @page6 id: 49021efb12 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきや(プロフ) - あのさん» ありがとうございます！！！頑張って更新進めていきま〜す！！！ (2021年12月12日 19時) (レス) id: 3af9d9c4f9 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 新作ですね！前作では完結おめでとうございます！(遅い)更新待っております！ (2021年12月12日 18時) (レス) @page15 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきや | 作成日時：2021年12月8日 19時
