闇のセカイ ページ29
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「ここって……」
『毒ガス室』
部屋の横にある看板に書いてある文字に、俺は無意識に息を止めていた。
分厚いコンクリートで固められた壁には、無数の引っ掻き傷の痕が残っていた。
無音であるはずのこの部屋からは、呻き声や叫び声が脳に響いてくる。
突然、目の前に黒い影が迫ってきた。
抵抗する余裕も無く慌てて目を瞑ったが、しばらくしても何もなかったので、俺は片目ずつ ゆっくりと目を開いた。
「
ハッとした。
まるで自分が幻覚を見ていたところに 一気に現実に引き戻されたような感覚がして、
いつの間にか強く握りしめていた拳は湿っていた。
「『個性改造』では、人間の脳に直接メスを刺して 強制的に脳を改造します。
まずそこで、被験者の大半が
透き通った声は、何も感情を含まないまま淡々と言葉を並べた。
「次に、改造された個体が、電気や熱、毒にどれだけ強いかの検査を行います。
この部屋は、毒耐性を調べる為に使われました」
「それって、ここの組織の全ての人間に‥‥‥」
「全てではありませんが、少なくとも我々
＿＿＿＿＿＿＿ただ一人、貴方を除いて」
ひゅっと、喉が鳴った。
「私のコードナンバーは、25100。
被験者だった頃の番号と同じままです。
この一つの実験に、4万9642人の命が犠牲になりました」
その大きな目は、吸い込まれそうなほど真っ黒で、全ての闇を渦巻いているように見えた。
Aは腰まである長い髪を揺らし、コンクリート壁にある引っ掻き傷にそっと触れた。
「この組織が結成されてから2回目の、『個性改造』の試験が あと数ヶ月で開始されます。
『夢』がある貴方には、ここで終わってほしくない。
本来貴方がいるべき場所はもっと明るいところ。
闇しかないこの世界よりも、光の当たる世界の方が 貴方にふさわしいです」
" わかった。そうする "
そう言うはずだった。
けれど、俺の喉から出た言葉は違った。
「＿＿＿＿＿＿＿俺は、
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瑞樹(プロフ) - この作品大好きです！ 更新を楽しみにしています！ (2022年12月8日 20時) (
レス) @page39 id: 92b8932be0 (このIDを非表示/違反報告)
フユフユ - これ最後夢主ちゃんとかも幸せになって欲しい (2022年6月26日 21時) (レス) @page29 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
むらかみ。(プロフ) - 新作待ってました！前作楽しませて読ませていただきました！！突然で申し訳ないですが、イメ画描かせてもらってもよろしいでしょうか？少し遅くなってしまうかもですが…(失礼)更新頑張ってください！！応援してます！！！！！ (2021年12月29日 20時) (レス) @page6 id: 49021efb12 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきや(プロフ) - あのさん» ありがとうございます！！！頑張って更新進めていきま〜す！！！ (2021年12月12日 19時) (レス) id: 3af9d9c4f9 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 新作ですね！前作では完結おめでとうございます！(遅い)更新待っております！ (2021年12月12日 18時) (レス) @page15 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきや | 作成日時：2021年12月8日 19時
