その先にあるもの ページ28
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6畳くらいの部屋の壁は無機質な白で塗り潰されており、弾力の少ないシングルベッドと武器の入ったクローゼット、書類の積み重なった机以外は何もない。
きっと俺に支給されたこの部屋は、Aや他の隊員と同じ造りをしているのだろう。
本当に何もなくて、味気ない殺風景な部屋だ。
「私です。25100です」
ノック音の後、扉の向こうから透き通った声が響いた。
キャスターのついた椅子から立ち上がり、俺はドアノブに手を掛けた。
「……ンだよ、Aか。どうした急に」
「お休みのところ失礼します。
次の合同任務の件ですが＿＿＿＿」
そう言ったAだったが、俺の後ろのどこかを見た瞬間、目を大きく見開いていた。
失礼します、と俺を半ば突き飛ばしながら、焦ったように俺の机の上に散らばる書類を手に取った。
「これって、まさか………！」
「あぁ？別に、さっき司令官から貰った。
俺の『個性』がこの仕事に向いていないから、2週間後に『
思い当たる節があるのだろう。
彼女は振り返るなり、口を開いた。
「………ついて来てください、見せたいものがあるので」
そう言った彼女は、どこか悲しそうな顔をしていた気がした。
言われるがままにAについていき、俺が今までに入ったことのなかった通路や部屋を横切っていく。
どこの部屋も真っ白に塗り潰されており、所々ペンキが不自然に厚く塗られているところがあった。
「そこだけペンキが厚く塗られている理由、教えましょうか」
声がしてハッとする。
いつの間にか俺は、立ち止まって壁の方をじっと見ていたらしい。
「背中を斬られた隊員が治療を受けるまでの間、壁に寄りかかっていたからです。
粘性の高い血液が壁に付着した為、後から大量の白い塗料で上書きして それを隠したのです」
ゾッとした。まるで証拠隠滅をするような行動を取ることに、恐怖さえ感じる。
きっと俺はが任務で死にかけても、誰も助けてくれないのだろう。
そして何事も無かったかのように焼却処分をする。
厳しい環境の中、Aがここまで生きてこられたのは幸運か。それとも『殺し』の実力か。
「……見せたいものは、この先にあります」
隊服のポケットから出したカードキーを、Aは壁にあるインターホンのようなものにかざした。
指紋認証、暗証番号、その他のセキュリティも突破し、重々しい鉄扉が開いた。
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瑞樹(プロフ) - この作品大好きです！ 更新を楽しみにしています！ (2022年12月8日 20時) (
レス) @page39 id: 92b8932be0 (このIDを非表示/違反報告)
フユフユ - これ最後夢主ちゃんとかも幸せになって欲しい (2022年6月26日 21時) (レス) @page29 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
むらかみ。(プロフ) - 新作待ってました！前作楽しませて読ませていただきました！！突然で申し訳ないですが、イメ画描かせてもらってもよろしいでしょうか？少し遅くなってしまうかもですが…(失礼)更新頑張ってください！！応援してます！！！！！ (2021年12月29日 20時) (レス) @page6 id: 49021efb12 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきや(プロフ) - あのさん» ありがとうございます！！！頑張って更新進めていきま〜す！！！ (2021年12月12日 19時) (レス) id: 3af9d9c4f9 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 新作ですね！前作では完結おめでとうございます！(遅い)更新待っております！ (2021年12月12日 18時) (レス) @page15 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきや | 作成日時：2021年12月8日 19時
