吠える狼 ページ36
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女とAの戦いはあまりにも速すぎて、素人の俺から見たら青と黄の閃光が離れてはぶつかり合っているようにしか見えなかった。
その閃光がぶつかる瞬間に発生した風が 茂らせた草原を拭き荒らし、俺の身体は吹き飛ばされそうになった。
前傾姿勢になり、どうにかして耐え続けていると、
ふと風が止んだ。
「……悪いけど、私にはまだ『手札』が沢山あるの。
殺せなくて残念だったわね」
静かに立ちずさむAの頬には、小さな傷ができている。
対する女は、口端から少し血を流していた。
【………元々一筋縄でいけるとは思っていないわ。
それと、私にもまだ『手札』は沢山あるのよ。自分だけが強いと思いこまない方がいいと思うけど】
女の言葉に顔をしかめたA。
彼女は膝を曲げて地面を強く蹴り、空中で回転しながら俺の前に静かに着地した。
「………爆豪、いけるでしょ」
俺に背を向けたまま、Aは小さく囁いた。
「は、？いけるって何が」
「君が最大の威力で『爆破』をする話。
10秒数えてて」
「じゅっ、10秒って＿＿＿＿＿＿」
Aは持っていたナイフを空に向かって投げ、突風の様に駆け出した。
彼女の肩に掛かっていた黒いマントは風圧で吹き飛ばされ、俺の顔にまとわりついた。
10、9、8……
「『
Aが呟くと、草原を埋め尽くすように氷が広がっていった。
一瞬の間に数十メートル以上飛んだAを中心に、氷壁は恐ろしいスピードで 青色の芝生を白く塗りつぶしていく。
【『
女の叫びに合わせて、赤黒い液体が荒波のように氷を呑み込んでいった。
液体は冷たい氷を一気に溶かしていき、熱を帯びた水蒸気が空間を埋め尽くすした。
6、5…4……
【『
3、2……
「『絶縁結界』ッ！！！」
1、…………0
Aの張った結界が ガラスのように割れて散ったその瞬間、彼女は振り向いて俺に叫んだ。
「爆豪ッ！！！今だ！！！！」
火傷しそうなくらい熱くなった掌を敵に向け、俺は小さく笑った。
「……偉そうに指図できんのは お前だけだぞ、A。
＿＿＿＿＿＿＿
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瑞樹(プロフ) - この作品大好きです！ 更新を楽しみにしています！ (2022年12月8日 20時) (
レス) @page39 id: 92b8932be0 (このIDを非表示/違反報告)
フユフユ - これ最後夢主ちゃんとかも幸せになって欲しい (2022年6月26日 21時) (レス) @page29 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
むらかみ。(プロフ) - 新作待ってました！前作楽しませて読ませていただきました！！突然で申し訳ないですが、イメ画描かせてもらってもよろしいでしょうか？少し遅くなってしまうかもですが…(失礼)更新頑張ってください！！応援してます！！！！！ (2021年12月29日 20時) (レス) @page6 id: 49021efb12 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきや(プロフ) - あのさん» ありがとうございます！！！頑張って更新進めていきま〜す！！！ (2021年12月12日 19時) (レス) id: 3af9d9c4f9 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 新作ですね！前作では完結おめでとうございます！(遅い)更新待っております！ (2021年12月12日 18時) (レス) @page15 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきや | 作成日時：2021年12月8日 19時
