小さな捕食者 ページ30
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試合が進み、12-11となった。
第五セット目にもなり、これまでのセットでデュースを繰り返し続けたため、コートにいる選手のほとんどがスタミナ切れになっている。
白鳥沢にサーブ権が回ってきたところで、私は6番の札を掲げた。
「3点決めてこいよ」
『はい。勿論です』
監督に背中を押されて、私はコートに足を踏み入れた。
ボールを受け取り、ラインの外に向かって歩く。
今までと違って助走の分の距離を確保するために後ろに下がると、ようやく気づいたのか天内さんがチームメンバーに何やら声を掛けていた。
でも 警戒したところで、たぶん何も変わらない。
きっと、誰も取れないから。
「Aナイッサー！」
「決めたれー！！」
ボールを天井に向けて上げ、大きくステップを踏んで、高く飛び上がる。
直前まで力を抜いていた腕を、鞭のようにしならせてボールを叩いた。
「サービスエース！！」
「もう一本ナイッサー！」
白鳥沢の応援隊の歓声が聞こえてきて、気分が高揚する。
再度ボールを受け取り、今度はフローターサーブをする。
不安定に空中に揺れるボールは、相手選手の頭よりも高い位置を通過した。
「アウト、！」
新山の後衛が叫んだ。
しかし、ボールはラインの内側に落ちた。
「ノータッチエースきたぁぁあ！！！」
14-11、白鳥沢のデュース。
あと一本で、全国行きが決まる。
「「「「「「あと一点！！あと一点！！」」」」」」
白鳥沢の応援隊の歓声が、今までで一番大きいものとなった。
煽りも含まれているその声を聞いて、私は人差し指を口元に当てた。
『しーっ………』
静かにするように合図をすると、あれほど煩かった会場が静寂に包まれた。
観客席の誰かがペットボトルを落とした音や、私を見る先輩たちの息遣いが手に取るように聞こえてきた。
この場の全員が私に注目している。
その事実だけで、自然と口角が上がった。
ホイッスルが鳴る。
両手で高く上げたボールを目で追いながら、私はステップを踏んだ。
ラインの手前で床を強く踏み、高く飛び上がる。
左手にボールが当たった瞬間、私は勝利を確信した。
真っ直ぐ進んだボールが、回転のせいで右に大きく曲がり、相手のリベロの腕を跳ねて床に落ちた。
ピーッと 本試合最後のホイッスルが鳴ると、天内さんは膝をついて床にへたり込んだ。
白鳥沢 vs 新山女子
15 - 11
インターハイ全国大会 宮城県代表 白鳥沢
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ゆきや(プロフ) - ワカさん» 本編を最後までお読みいただき、ありがとうございました！喜んでいただけてとても嬉しいです！！ワカ様もどうぞお身体にお気をつけてください。 (4月6日 17時) (
レス) id: 0a45871910 (このIDを非表示/違反報告)
ワカ - 私もハイキュー大好きで、これ読んでたら自然に涙が流れて来ましたwでも、それくらいこの作品は魅力のある話だと思っています。今後共体に気おつけて頑張ってください！！この作品ではお疲れ様でした！(´；ω；｀)ｳｯ… (4月4日 17時) (レス) @page50 id: 98e979a673 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきや(プロフ) - 神無月さん» コメントありがとうございます！ハイキューは本当に奥が深い作品ですよね、！！同じ気持ちの人がいて嬉しいです (1月17日 21時) (レス) id: 0a45871910 (このIDを非表示/違反報告)
神無月 - 面白かったです！やっぱりハイキュー最高ですね！ (1月9日 16時) (レス) @page50 id: f275669b86 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきや(プロフ) - るれろさん» わかりにくくてすみません！ネタバレさせてしまって申し訳ないて゛す……。第一章からゆっくり楽しんでいただけると嬉しいです！！ (12月4日 17時) (レス) id: 270ca5dafb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきや | 作成日時：2023年11月11日 15時
