飛ぶことをやめた日 2【白鳥沢】

女子会 ページ19

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長いようで短いユース合宿も、あと少し。





「Aちゃん。元々凄かったけど、最後の追い上げで急成長したよね」



『ありがとうございます。
瀬戸さんのトスも毎回精度が高いので、どんなスパイクを打ってもしっくりくるのが楽しかったです！』




「えぇ〜？嬉しいこと言うじゃない！」




こうやってみんなで夕食を取るのも、今日で最後だ。







「そういえばAって、今年はずっとマネージャーだったってホント？」



「何それ、知らないんだが」




『本当ですよ。でも、今はもうマネ辞めましたし、来年からは女バレに戻ります』




「マネージャー辞めるってなった時、揉めたりしなかった？」




『揉める？うーん………どっちかと言うと、部員に辞めさせられたって感じなので』



「え。うそ……」

「男子こわ」




普段落ち着いている天内さんが箸から野菜を落とすほど動揺している様子を見て、私は慌てて訂正した。





『いや、あの！虐めとかでは全然なくて、むしろ背中を押されたというか……』



「追い出されたのに背中を押された…？？」




『えっと……。" お前はもっと選手として活躍しなきゃいけない "って言われました』



「なぁんだ。普通にいい奴じゃん」



変な空気が一気に解消された気がして、私は ほっと胸を撫で下ろした。






「てかそれ誰が言った？」



『白布さ…………1つ上の先輩です』



「Aちゃんのことを思って言ってくれたんだね」




『はい。私がこうやってユース合宿に行けたのも、彼のおかげですから』




白布さんを思い出して 一人で静かに笑みを浮かべていると、先輩たちは私の顔を覗き込んだ。





「………あらやだ奥さん、これって " 恋 " じゃないかしら」



『えっ！？』




「そうですわね。明らかに恋する少女の表情ですわ」


「甘酸っぱい青春ですねぇ」





『どうしたんですか突然！？違いますって！』




「だ、大丈夫だよAちゃん！私も好きな人いるから！」




『天内さんそれ自爆してますよ！？』

謹賀→←近道なんてない

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