近道なんてない ページ18
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道を口頭で教えてもきっと伝わらないだろうということで、私は影山を目的地まで送っていくことにした。
『君、初対面なのに下の名前で呼ぶとか馴れ馴れしいよね。別にいいけど』
「中学の頃に何度か会ったし、話したこともあるだろ」
『そうだっけ………あっ!
中1の頃、及川さんのパシリやってた子!』
試合のために仙台体育館に行くたびに、及川さんの命令で連絡を聞きに来てた子がいたな。
あれは影山くんだったのか。
当時はまだ小さかった(と言っても私よりはさすがに身長は高かったが)随分大きく成長したね。
「そういえばお前、何でこの間男子コートに練習しに来たんだ?」
『ん?………あぁ、色々迷ってたんだよ。
でも、今は大丈夫。
何となくだけど、分かった気がしたんだ』
純粋な影山な目に、私は視線を逸らさずに笑ってみせた。
『影山くんが、あの時上手くカバーしてくれたからね。
あれがなかったら、きっと今も迷っているままだと思う』
「俺、何かしたつもりねぇんだけど」
『ははっ!何せ私が勝手に悩んで、勝手に納得してるだけだから。影山くんは気にしなくていいよ』
「………そうか」
サーブの精度、自由に使える両手、そして高さ。
私の
だから、深く考えすぎる必要など、最初からなかったんだ。
「お、やっとついた」
『もう迷わないでよ?合宿も、あと少しで終わりなんだし』
開いたままの体育館の扉に向かって、私は彼の背中を軽く押した。
『影山くん』
「なんだ」
『
____あとは託したよ、烏野』
「……!あぁ、そうだな」
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ゆきや(プロフ) - ワカさん» 本編を最後までお読みいただき、ありがとうございました!喜んでいただけてとても嬉しいです!!ワカ様もどうぞお身体にお気をつけてください。 (4月6日 17時) (レス) id: 0a45871910 (このIDを非表示/違反報告)
ワカ - 私もハイキュー大好きで、これ読んでたら自然に涙が流れて来ましたwでも、それくらいこの作品は魅力のある話だと思っています。今後共体に気おつけて頑張ってください!!この作品ではお疲れ様でした!(´;ω;`)ウッ… (4月4日 17時) (レス) @page50 id: 98e979a673 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきや(プロフ) - 神無月さん» コメントありがとうございます!ハイキューは本当に奥が深い作品ですよね、!!同じ気持ちの人がいて嬉しいです (1月17日 21時) (レス) id: 0a45871910 (このIDを非表示/違反報告)
神無月 - 面白かったです!やっぱりハイキュー最高ですね! (1月9日 16時) (レス) @page50 id: f275669b86 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきや(プロフ) - るれろさん» わかりにくくてすみません!ネタバレさせてしまって申し訳ないて゛す……。第一章からゆっくり楽しんでいただけると嬉しいです!! (12月4日 17時) (レス) id: 270ca5dafb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきや | 作成日時:2023年11月11日 15時