リミット ページ14
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『私にあって、みんなにはないもの……』
顎に手を当ててブツブツ呟きながら、スタジアムの廊下を歩き回る。
全国トップクラスの選手が集まる中で 何か秀でているものがあれば、それはきっと私の一番の武器になるだろう。
『スピード…パワー………高さ……』
高さ。
ハッとして、私はある人を探しに走り出した。
『監督!高橋さん!』
体育館に行くと、探していた彼らと、あと瀬戸さんがいた。
「おう、成宮。どうした」
『男子バレーのネットの高さで練習したいです!
このネット張り直してもいいですか?』
「あぁ、いいけど………」
「また戻すの大変だと思うし、どうせなら男子のコートを借りてもいいんじゃない?
今向こうの人に連絡するよ。多分了承してくれるだろうし、先行ってな」
『ありがとうございます、!』
「何それ楽しそう、私も入れて!」
『はい!一緒に行きましょう』
「時間も遅いし程々になー」
瀬戸さんに手を繋がれ、2人でボールを持って3階に移動した。
「男子も同じタイミングでユース合宿してるんだね」
『高橋さん曰く、オトナノジジョウだそうです』
「男女別にすると 施設を借りる料金が倍になるからってことか」
エレベーターは使わずに、階段を一段飛ばしで駆け上る。
防音機能のある分厚い扉は空いたままで、覗いてみるとまだ何人か男子のユースが残っていた。
「うわぁ………気まず」
申し訳なさも出てきて、なかなか入れないでいると、私たちに気づいたのか向こうの監督らしき人が声をかけてきた。
「あぁ、君たちが女子ユースの。話は聞いている。
さぁ 中に入って」
『あ、ありがとうございます』
そーっとふたりで青色の空間に足を踏み入れる。
私たち女子は共同コートで、男子は公式コートか。
なんかずるい。羨ましい。
「よし、じゃあ練習するよ」
『はい…!』
よそからの視線を感じ 少し緊張感のある中、私は瀬戸さんにボールを渡して構えた。
彼女は私に向かってボールを打ち、私はレシーブをして返す。
上がったボールを瀬戸さんがふわりとトスをして、スパイクを打った。
「わっ、さっきよりも高く飛んでる!すごい!」
『こっちの方が高く飛ばなきゃ、って頑張るからだと思います』
「じゃあ、もっと高いトスの方がいいかな」
『はい、お願いします!』
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ゆきや(プロフ) - ワカさん» 本編を最後までお読みいただき、ありがとうございました!喜んでいただけてとても嬉しいです!!ワカ様もどうぞお身体にお気をつけてください。 (4月6日 17時) (レス) id: 0a45871910 (このIDを非表示/違反報告)
ワカ - 私もハイキュー大好きで、これ読んでたら自然に涙が流れて来ましたwでも、それくらいこの作品は魅力のある話だと思っています。今後共体に気おつけて頑張ってください!!この作品ではお疲れ様でした!(´;ω;`)ウッ… (4月4日 17時) (レス) @page50 id: 98e979a673 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきや(プロフ) - 神無月さん» コメントありがとうございます!ハイキューは本当に奥が深い作品ですよね、!!同じ気持ちの人がいて嬉しいです (1月17日 21時) (レス) id: 0a45871910 (このIDを非表示/違反報告)
神無月 - 面白かったです!やっぱりハイキュー最高ですね! (1月9日 16時) (レス) @page50 id: f275669b86 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきや(プロフ) - るれろさん» わかりにくくてすみません!ネタバレさせてしまって申し訳ないて゛す……。第一章からゆっくり楽しんでいただけると嬉しいです!! (12月4日 17時) (レス) id: 270ca5dafb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきや | 作成日時:2023年11月11日 15時