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この大きな家の一室。
ソファに座らされた私は、目の前で足を組む兄を見る。
「お前に縁談の話が来てる」
『はあ？』
叔父も叔母も私に無関心だった。
むしろそれは私にとって都合が良かった。無駄に干渉されるより何倍も。
…なのに、
「縁談の相手は三橋グループの御曹司。歳は28」
『…拒否権は？』
「無い」
こういう時だけ私を利用するんだもんね。最悪。死んじゃえ。
心の中で毒を吐きながら目の前に出された資料を手に取る。
写真に写るのは胡散臭い笑みを浮かべる男性が居た。
『これで28？ちょっと老けすぎじゃない？』
「…来月末に顔合わせの予定だ。そういう無礼なこと言ったら…分かってるな？」
『……でも、そんなこと急に言われても』
「はぁ…」
露骨なため息に、体が強ばった。
私より10歳近く年上の彼は、どこか威圧感があって苦手。
有名大学を出て叔父の会社で今は副社長をやってる。次期社長だ。この若さで凄いんだろうけど、私からしたらちっとも尊敬できる相手じゃない。
「東京でプラプラ遊び回って男でもできたか？」
『男って…』
ふわりと浮かんだ涼介さんの顔。
慌ててそれをかき消した私は「違うけど」と握りしめた拳に視線を落とした。
「じゃあ諦めろ。相手の男もお前の写真を見て喜んでたらしいぞ。…ま、女子高校生相手に喜ぶような男ろくでもない奴だろうがな」
『…でしょうね』
短時間の話し合いだった。
話し合いじゃない、一方的に決めたことを押し付けられただけ。
私には発言権も拒否権も無くて。
大体、決めた張本人である叔父は何してるわけ？いくら仕事が忙しいとはいえ自分の会社守るためのことなら自分の口から説明しなさいよ。
フツフツと込み上げてくる怒り。
『…はぁ』
またここから逃げ出せたらな、なんて考えながら窓の外を見上げた。
外はもう真っ暗だった。
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神夜(プロフ) - 連載当初から読ませていただいております♡続き待ってます〜♡ (1月4日 2時) (
レス) @page8 id: 7a3da2a4c7 (このIDを非表示/違反報告)
Ahr(プロフ) - 楽しく読ませていただきました！！続き気になります！！！！ (2023年3月11日 7時) (レス) @page8 id: bfc2ddf8fe (このIDを非表示/違反報告)
jkpqk77144(プロフ) - 続き気になります！待ってます (2021年9月5日 13時) (レス) id: fa761941c4 (このIDを非表示/違反報告)
陽花(プロフ) - 続き、待ってます (2021年8月9日 0時) (レス) id: f7621a812c (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - imさん» ありがとうございます！！あと少しですのでぜひ最後までよろしくお願い致します〜！ (2021年2月11日 20時) (レス) id: b0e8b0a2ef (このIDを非表示/違反報告)
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