松田さんが大好きです!【松田陣平】 (ページ9)

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片思い同盟8 ページ9

長い沈黙を破ったのは、萩原さんだった。

「さぁ、どうだろうね。」
どっちやねんっと、ツッコみたくなった。
ツッコんでも答えてくれなそうだけど。
「はっきりしてくださいよ。」
「嫌いじゃないよ。」
「それって……」
やっぱり、紗奈ちゃんのこと好きなんじゃ……

「女の子は、みんな可愛くて、好きだよ。」
やっぱ、そうですよね〜。
期待してた私が馬鹿だったかも。

その後も長く、気まずい空気が流れていた。

「ここです!ありがとうございました。」
「何階なの?女の子一人で運べる?」
萩原さんがそう聞いてきた瞬間、紗奈ちゃんが目覚めた。

あと少し早かったら、想像するだけで怖い。
萩原さんとの話は私だけの秘密にしておこう。

萩原さんにおんぶしてもらっている紗奈ちゃんは、すごくびっくりしていた。

好きな人におんぶされてたら、それはびっくりするのは当たり前だよ。
私も松田さんにおんぶしてもらってたら、腰抜けるもん。
そんなことは、私と松田さんがルームシェア、同居するぐらいありえないことだろうけど。

好きな人におんぶしてもらうのっていいなぁ。

「あっ、ごめん。あたしなんかごめん。ごめん……」
紗奈ちゃんは萩原さんに対して、すごく申し訳なさそうにひたすらごめんと謝っていた。
まだ、酔ってそうだったけど。

「紗奈ちゃんは起きたし、もう大丈夫です。」
「そっか。じゃあ、またね。」
そう言って、萩原さんは、去って行った。

紗奈ちゃんがすごく睨んできている気がするけど、気のせい、気のせい。

もしかして、話聞いてたとか?
まぁ、それはないだろう。

「萩原くん、なんか、様子が変だったんだけど。」

さすが。
好きな人のこととなると、目が鋭いですね。

日が昇り、鳥がぴよぴよと鳴いている｡

「で!何話してたのよ!」

私は絶賛尋問中。

「昨日何があったのよ!」と紗奈ちゃんから質問攻めにあっている。
誰か助けて……

そもそもの原因は遅れてきた萩原さんにあると思うんだけど。
絶対紗奈ちゃんは、賛同してくれないと思うけどさ。