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片思い同盟5 ページ6

今日は待ちに待った合コンの日!!
男女五人ずつで、私より可愛い子もいるけど、松田さんを渡すつもりはない。
と考えていたけど、まず、松田さんが来てくれないかもしれない。
そんなことはないと、私は萩原さんを信じた。
でも、その萩原さんの姿も見えない。
まさか二人とも急用ができちゃったのかな。
少し不安を抱えながらも、松田さんたちを待つことにした。

「松田達まだ来ねーのかよ。」
「もう始めよーぜ。」
みんな松田さんたちが来ないので、先に合コンを始めてしまった。

萩原さんにしか興味がなさそうな紗奈ちゃんは、凄く怖い顔をしている。私が彼女の方をちらっと見ると、もうすでにビールを二、三杯ほど飲んでいた。

「私って、萩原くんに嫌われてんのかなぁ。」

ちょっと顔が赤くなっていた彼女は、寂しそーに呟いていた。
私ほどじゃなくても、紗奈ちゃんもかなり萩原さんのことが好きだったよなぁ。
片思い同盟なんて言っているが、正直萩原さんの方も、紗奈ちゃんに対して好意がある気がするのは気のせいだろうか。

私と紗奈ちゃんを除いた女子三人は、男子三人といい感じで、キラキラしている。

まさに合コンって感じ。

私が松田さんと期待していたような光景が目の前で繰り広げられていた。
そのときだった。

紗奈ちゃんはスマホを取り出し、萩原さんに電話をかけたのだった。

何故、萩原さんだって分かったのかだって?
そりゃ、女の勘よ。

その勘も、紗奈ちゃんが酔っていることには使えなかったけど。

「はーぎわらくーんー?なんで来てくれないのよ!あたしたちずっと待ってんだけどぉー。萩原くんが来なくちゃ意味がないのよぉー。あっしのこと嫌いなのー。そ〜ならそーいってよね〜。」

萩原くんの反応がすごく気になったけど、周りのみんなは酔ってる紗奈ちゃんの姿に驚いていた。

よく家でもすぐ酔っちゃうことを、すっかり忘れていた。
ほんと紗奈ちゃんって酔いやすいよね。

私はお酒自体飲まないんだけど。


そんなこと考えてると、ガラガラっと店の戸が開いた。

「ごめん、ごめん。道で困ってる子どもがいて、助けてたら遅れちゃった。」

そう言った萩原さんは、紗奈ちゃんの方を見ていて、後ろには松田さんもいた。


「せっかく誘ってくれてたのに、遅れてごめんね。」
紗奈ちゃんに向かってそういった萩原さんは、私まで格好良く感じた。

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作者名:sena | 作成日時:2021年12月30日 0時

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