松田さんが大好きです!【松田陣平】 (ページ32)

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ロマンスの予感1 ページ32

「松田さん見てくださいよ、私が映ってる!」
「よくそんなの分かるな。」
「だって、テレビ局のカメラが来てたら気になるでしょ。」

時を戻そう。

松田さんに色々教えてもらった一週間たったぐらいの頃。

出勤したぐらいの時間だった。

爆弾を爆発するとの予告があったので、私たち爆発物処理班が現場へ向かった。
そこで、私はそれなりの活躍を見せたのだった。

実際には悪戯だったので、私に任せても大丈夫という判断だったのかもしれないけど、一応異動は免れた。

そして今に至る。

この出来事は夕方のニュースに取り上げられていて、そこには私の姿も映っていた。

自分の姿と言っても、ほぼ分からないぐらいなんだけど、周りとの大きさとかで自分は見つけられた。

初めて爆発物処理班らしい事をしたかもしれない。

これも松田さんのおかげ。
好きとかいう感情をのけても、松田さんには感謝してもしきれない。
何かお礼をしたい気持ちでいっぱいなのだ。

バレンタインはバレンタインであげたいものがあるし、なるべく迷惑にならないようなお礼がしたい。

どうしようかなぁ……
私は考えに考え、あることを思い出した。

松田さんがいつもカレーを食べていたことを。

新婚さんみたいなんて考えていたのも一ヶ月以上前だっけ。

カレーなら、頑張ればできそうじゃない?
それに、次の日も食べれそうだし。

私は明日は非番だから、頑張ろう!

次の日の朝。
私は早速スーパーへと出掛けた。

カレーの具材は調べてきたし、大丈夫なはず。
私はチョコレートみたいなカレーのルーを使おうと思っているのだけれど、どれを使えばいいのかわからなかった。

何故チョコレートみたいな方にするのかって?
それは、バレンタインが近いし、そっちのほうが愛がこもってそうでしょ。

それは置いといて、その時の私は商品を手にとるなどという発想もできなかった。

そのため、ずっと商品棚とにらめっこをしていた。
傍から見たら、とても変な人だったと思う。

そんな私を気にかけてくれたのか、一人の好青年が私に声をかけた。

「なにか探しているんですか?」
「チョコレートみたいなカレーを──」

透き通るような金髪の頭に、青くビー玉のようでキラキラと輝く瞳、少し黒めの肌の色。
その日本人離れした姿に驚いてしまうのは仕方ないだろう。

それに、その人を見たことがあった気がしたなら余計に。