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ドキドキ急接近10 ページ31

帰り道。
私と松田さんは二人きり。
私は松田さんとデートした気分だ。

これって、付き合ってるみたい……
 

一人浮かれていたら、いつの間にか家へ到着していた。
あっという間だなぁ。



もっと松田さんと居たかった……

同居してるんだけどね。


松田さんは逃げるようにさっさと自分の部屋へ向かった。

私と正反対のことを考えているのだろうか。

違うとしても、私と同じ気持ちではないことは確かだ。

そんなに急いで行かなくてもいいのに。





私は一つの写真が目についた。




萩原さんから貰った写真だ。

この前、写真を見たときはもしかしたら……って思ってたけど、今日のおかげで、また頑張れる!

神様、ありがとうございます。


クリスチャンでもないのに神頼みな私に、こんないいことばかりなんて、なんて神様は優しいのだろう。

私の恋を応援してくれる神様のためにも、絶対松田さんを振り向かそう。


たとえ、どんなライバルが現れようと!


私はそう神様に誓った。



さて、この写真どうしようかな?
赤の他人の私がずっと持ってるわけにはいかないし、松田さんに渡すのが無難かな。


「松田さん、失礼しますよ。」
今度はしっかり一言言い、部屋に入った。

返事が聞こえなかったけど、まぁいいか。


部屋の中に入ると、松田さんはすっかり寝てしまっていた。

松田さんの寝顔なんて初めて見るかも……

神様のイタズラか私と松田さんの接点は、同居するまではほとんどと言っていいほど無かった。

いや、それなりに話してたかな?

話したとしても、二人きりなんて無いはず。

それがこんなに距離が近づくなんて、すごい急接近だ。




机の上には、さっきまでしていた道具や、プリントなどが散らばっていた。


あと少しだけしようかな。
自主勉強だよ、自学。

学生時代もほぼしていなかったのに、大人になってするとは、松田さんのおかげだ。


そのお礼のためにも、今年のバレンタインは気合いを入れなきゃ。

やっぱり、形に残るもののほうがいいよなぁ。
なるべく、手作りにして、松田さんに良妻賢母をアピールしないとね。
松田さんはチョコ好きなのかな。
マフラーとかにしようかな。

私はそんなことを考えながら、松田さんが教えてくれていたことを復習をしていた。


結局、全く復習できず、寝落ちしてしまったことが松田さんにバレてしまったのは、ここだけの話。

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作者名:sena | 作成日時:2021年12月30日 0時

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