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ドキドキ急接近9 ページ30

「はぁ、温かい。」
「良かったな。で、どれを買うつもりなんだ?」

コンビニの中に入った私達は、早速アイスを選び始めた。

私の目は一つのアイスに奪われていた。

なにこれ。

期間限定なんだ。
私って期間限定とか言われるとつい買っちゃうんだよね。


期間限定のアイスは、少しお洒落なパッケージで、バレンタイン風味がしている。


そういえば、もうバレンタインなんだなぁ。
今年は松田さんとの距離も今までと比べて近づいてきたし、渡せるかな。

私は、松田さんの方をチラッと見た。

今の私はすごく松田さんにときめいているようで、彼を見るだけでなんとも言えない、嬉しさや、喜びが溢れてきそうになる。

もし、私のときめきが貯まるコップがあるなら、今はコップから溢れ出しているところだろう。


チラッと見るつもりだったのが、かなり見てしまい、松田さんと目があった。



松田さんは何も言わず、ただ少し、私を面白がるように笑みを浮かべるだけだった。

その仕草に余計に胸がキュンキュンしてしまったのか、顔は溶けてしまうほど熱が上がり、胸の鼓動は鳴り止まなかった。

アイス溶けないかな?




「それにしたのか?」
「はい。松田さんは?」
「じゃあ、同じやつにする。」
「松田さんとお揃い!?」
「なんだよ、悪いか?」
「いや、どうしてかなって思って。」
「アイスについてはお前のほうが知ってるからだよ。」
「へ、へぇー。」

同じアイスというだけで、こんなに胸が踊るなんて信じられない。
こんなふうになるのは、松田さんのせいだ。




「うわぁ、綺麗……」


コンビニを出て、帰っている途中の道で私はキラキラと輝いているイルミネーションを見つけた。


寒さに夢中だったので、来る途中は気づかなかったんだろう。

暗闇の中を照らす光は、美しく、可憐で見惚れてしまう。

イルミネーションから目をそらすと、横にいた松田さんと目があった。
今日はこれで二回目。

イルミネーションの輝きが私の恋を応援してくれているように思えてきた。


なんだか、ずっと目を合わせていると、恥ずかしくなるので、私はまたすぐにイルミネーションへと目を向けた。

イルミネーションを楽しむ気持ちはもちろんあったが、それ以上に松田さんが隣りにいることで、心が弾んだ。

綺麗なイルミネーションに目が行っても、隣りにいる松田さんのことを考えてしまい、どうしても笑顔になってしまう。


今年のバレンタインは絶対松田さんに渡そう。

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  • 健康運: ★★★★★
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作者名:sena | 作成日時:2021年12月30日 0時

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