松田さんが大好きです!【松田陣平】 (ページ24)

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ドキドキ急接近3 ページ24

「女、女、女、萩原さん、女、女!」
「何勝手に人の年賀状見てんだよ。」
「引っ越したばっかりなのに、どうしてこんなに年賀状貰ってるんですか!? しかも女ばっかり。」

松田さん宛に送られていた年賀状は、私の十倍いや、二十倍近くありそうだった。

『松田くん、今年もよろしくね!!ハッピーニューイヤー♡』

「誰よ、この三田広子って。
　同期にこんな人いたっけ?」
「知らねーよ。」

ふーん。

「って、知らないなんて、ストーカーじゃない!?」
「お前も同じようなもんだろ。」
「松田さん、気をつけなきゃだめですよ！変な人だったりしたら大変なんだから。」
「だから、人のこと言えないだろ。」
「失礼な！私は、一度も松田さんに年賀状なんて送ったことないんですから。ただ、目で追いかけてただけですよ。」

松田さんは、呆れた様子でこちらを見ていたが、無視しておこう。

私、一応、同期で同じ爆発物処理班なんだから。
そこらへんの女よりマシよ。

私は、テレビの方に目を向かわせた。

そういや、昨日仕事だったから、年越しそばも食べてないし、カウントダウンもしてなかったな。

私は録画しておいたバラエティを見始めた。

私の家では、これと歌番組を交互に見ていたけど、私は歌番組のほうが好きだった。
しかし、母がこの番組に出てるダウンシティが好きだったため、二人でリモコンを奪い合うことになるので、交互に見ることにした。

だから、これがないと、正月って感じがしないんだよなぁ。

昔から、正月は家族と過ごしていたから、隣に松田さんがいるのってなんか変。

クリスマスも家族とだったしなぁ。
紗奈ちゃんも毎年家族と過ごしてたから、友達とも過ごしたことがないや。

クリスマスも、正月も松田さんと過ごせるなんて、なんてラッキガールなんだろう、私。

今年の運勢は、大吉だと期待しておこう。

「Aもこれ好きなのか?」

私がテレビを見ながら、大笑いしていたら、松田さんが話しかけてきた。

「うん。毎年恒例だからなんか見なきゃ気がすまなくて。」
私がそう言うと、松田さんも一緒に見始めた。

私と松田さんはこたつに入りながら一緒に笑ったり、話したりした。

こたつの温かさと松田さんがすぐそばにいることで、私の心はバクバクしっぱなしだった。

このまま時間が止まってくれればいいのに。

私は人生で初めてそう願った。