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片思い同盟10 ページ11

爆弾はふたつあるらしく、一つは松田さんが、もう一つは萩原さんが担当していた。

私と紗奈ちゃんは松田さんの方を任された。
さすが、松田さん。
すぐに爆弾を解体してしまった。
しかし、萩原さんの方はまだ終わってないらしい。
場所がマンションだったこともあり、住民の避難に時間がかかっていたらしい。

紗奈ちゃんは、不安そうな顔をして、萩原さんがいるマンションを悲しく見つめていた。

松田さんは、萩原さんと電話を始めており、その内容によると、萩原さんは防護服を着てないらしく、松田さんはすごく怒っていた。
これは今日に限ったことではないらしく、最近は自分ならできると、防護服をあまり着ていなかったらしい。
紗奈ちゃんもそのことを知っており、よく注意してたらしい。



今日も着ていないことに、紗奈ちゃんはついに、キレてしまったのか、松田さんから携帯を奪った。

「萩原くん!今日も防護服、着てないんだって?あなたのためにも、さっさと着なさいよ。せっかく、人がここまで心配してるのに……」
そう告げた紗奈ちゃんの目には涙が浮かんでいた。

「萩原くん……お願いだから、お願いだから……死んだら、承知しないわよ。覚悟しといてよ。本当に……人がどんだけ心配して、ほんと、信じられないんだから……私の言うこと、ちゃんと聞いてよ……」

紗奈ちゃんは泣きながら、必死に説得していた。
今日告白する予定がなかったら、ここまで必死になっていなかったかもしれない。
女の勘って、本当に当たるんだね。


電話は途中で切られたらしく、紗奈ちゃんはだいぶご立腹だった。

「萩原、生きてたら、ぶっ殺す……」
彼女はそう呟きながらも、泣いていた。







マンションは爆発してしまった。



しかし、萩原さんは奇跡的に生きていた。
それでも、怪我を負っていて、数週間は入院を余儀なくされた。


防護服を着ていなければ、死んでしいたところらしい。

これは紗奈ちゃんに感謝しなきゃね。








私達は早速、萩原さんのお見舞いに来ていた。

紗奈ちゃんは、病室に入った瞬間、萩原さんの元へと向かった。

「ホント、ホント、信じらんない。」
彼女はそう言いながら、泣き崩れていた。

そんな彼女の額に、そっとキスしたのを、私は見逃さなかった。

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作者名:sena | 作成日時:2021年12月30日 0時

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