兄ちゃん、ごめんね。 (ページ8)

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八話ページ8

「お待たせ優也。帰るわよ」

一時間くらい待たされようやく病室から出てきた母さんと父さんはやっぱり目が赤かった。

なんだか嫌な予感もするが聞く勇気はなかった。

「ねぇ、何の話？」

「後で教えるから…ほら、今日夕御飯何にしよっか？大好きなレストラン行く？ねぇ、あなたもいいでしょ？

「お、おう。そうだな。優也は何が食べたい？」

いきなりそんなこと言われても、こんな空気で呑気に「寿司！」とか言ったらダメな気がする…。

幼いながらに空気を察して、恐縮しながらなんとか「……デ、デニーズ」と答えると、無理矢理な感じの笑顔で了解された。

世話になった看護師と別れ、車に乗り込むとやっぱりまだ重い空気のまま、ファミレスへ向かって再び数分我慢することになってしまう。

訳のわからないオレはただただ窓の外から見えるきらきらのお星さまを見ては数えてた。