兄ちゃん、ごめんね。 (ページ6)

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六話ページ6

「ただいま……」

家に着き、小さな声でただいまと言って靴を脱ぐオレに、聞き慣れた高い声がかけられ、オレは振り返った。

「兄ちゃん！」

「なんだよ、いるじゃん」

病気とかいってたクセに、いつもの様ににかっと笑う妹の美優が変わらぬ姿で立っているのを見て、ため息を吐いた。

それが不満だったのかオレに近づくといきなり腕をつかんで、

「人の前でため息ついちゃダメでしょー！はやく美優とおままごとしよ！」

「はぁ？やるわけねーだろ、そんな遊び！！」

「すーるーの！」

ぎゃあぎゃあ騒ぐ美優にうんざりしつつ無理矢理歩き出す。
五歳の美優なんかが力で勝てるわけもなくずりずり引っ張られていく。

だけど、なんやかんやで甘いらしいオレは仕方なく力を抜いて美優に引っ張られてやる。

そんなそとに気付かない美優は本気で喜んだりしやがって……

なんだ、いつも通り変わんないじゃん。