drop*3 ページ4
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「うっわ〜!ねぇみてみてめちゃくちゃ美味しそう〜!」
知「見ればわかるって…話があってここに来たんじゃないの?」
ひたすらに目の前にある巷じゃ美味しくてボリューミーと噂のパンケーキに私はかじりつく。
振りをしているのだが即バレるオチである。
「それはそうだけどさ?こっちも大事じゃん?」
そう。知 念様が仰る通りなのだけど…
気付かれてる事に自分も気付いてるくせに言葉にする事が出来ないのだ。
その為に必死に逸らそうと美味しそうなフルーツタルトに対して話を振ってるんだけどごめんなさい…
もうネタが切れそうです……。
知「いい加減に話さないと僕帰るけど?」
「あー!ごめんなさい!知 念様お話致します!」
知「うむ、よろしい」
完全に主導権を握られてしまった………
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知「もう……言いたいことは察してるけど自分から言い出したんでしょ?」
「ごもっともです。頭が上がりません……。」
ちーちゃんの言う通りで私はテーブルの端にコツンと額をくっ付けうつ伏せた。
言う通りだけどさ…幼馴染だとしてもやっぱり恥ずかしい事はあるじゃない?
でもちーちゃんならあわよくば気付いて発してくれると甘え過ぎた私も悪い…。
知「………大 貴……でしょ?」
「……………うん…」
ほら、やっぱり気付いてたんだ…
ちーちゃんは昔からよく周りをよく見てる子だった。
低学年の頃、ちーちゃんは元から運動神経がよくて
公園まで涼 介と大 貴が先に突っ走るのに平気でついて行く事が出来た。
けど女の子の私は1人一生懸命走っても追いつかなくてとにかく必死だった。
でも、曲がり角を曲がればちーちゃんが居て「一緒に歩いて行こう」と手を差し伸べて待ってくれていた。
追いかければ追いかける程涙が出そうになるのに、
そんなの忘れちゃうくらい私は笑顔になれたのを覚えてる。
他にもおバカ2人組がお菓子を率先して食べてた時とか私の分を取っておいてくれたり………って、
あれ、本当にこれは頭が上がらないやつだぞ…
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作者名:氷兎 | 作成日時:2020年5月6日 16時