蝉とけい‥みんなしわわせ。(ymxin)蝉シリーズ(５)

＝すりすり・６＝ ページ15

「・・教えてくれてありがとね。
　ねこちゃん。」



オレはバーさんに向かって

「ニャー。」と鳴く。




バーさんは「うふふ。」って笑って

「ほぉ〜ら、けいちゃんっ。」



けいは、リョウをぎゅっとしたまま

動かずに、眠い目を擦りながら

「やっ。いーやっ。
　けいのらもんっ、けいの、わんわん。らもんっ。
　ぶぅ―――。」



「・・う〜〜ん、こまったねぇ・・。」

バーさんが困った顔をして・・



オレも、けいにベッドに行くよう即したけど

ダメで＿＿＿。




「はぁ――。」っと『はぁ――。』っと

バーさんとオレはため息をつく。





それを見てたリョウが

『ふっ。』っと笑い、

スッと立ち上がって、スルリと

けいから離れて、軽やかに歩き

ベッドに上がったかと思うと

リョウはけいを見つめて

スッと座った。




けいは・・操られる様にフラフラと

ベッドに上がって、

リョウの伏せて座った腹の上に頭を置いて

すぐにすぅすぅと寝息を立て・・

寝てしまった＿＿＿＿＿＿。





「＿＿＿＿＿＿っっ！！」

『＿＿＿＿＿っっ！！』


オレもバーさんも顔を見合わせた。



『すっげー！！リョウっ。
　寝かしつけの・・天才だっっ・
　あの・・ぐずった・・けいを・・。
　すげぇぇ・・。』




バーさんも嬉しそうに驚いて

「まぁ・・ビックリ・・。
　本当にすごいわぁ・・・。
　お利口なわんちゃんだわね・・ホントに。」





リョウは、優しい優しい目で

けいを見つめ・・

尻尾でけいの肩をトントンとしてる・・。



さすが、オレが認めた男だぜ。




オレも２人に近付き

けいの寝顔を見つめ・・

安心して、けいの横で丸くなって寝てしまった。





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




フッと目を覚ますと

兄貴が・・手紙を読んでいた。




オレは兄貴の足元に行って

「ニャ――――ッッ！！」

って強く強く鳴いた。


『兄貴っっ。リョウを、頼むよ・・兄貴＿＿＿＿。』



兄貴は、オレを見てニッコリと笑い

それからバーさんと話して

優しい目でリョウを見つめている＿＿＿。


なぁ、兄貴、頼むよ。

イイやつなんだ、リョウは、

すごく。すごくイイやつなんだよ＿＿＿＿＿。




・・・・バーさんが帰って・・

兄貴はベッドに腰掛けて

優しい目でリョウを見つめ

優しい声色で話し出した。



オレは黙って、それを見てた。

・・涙が溢れて止まらなくて

嬉しくて、止まらなくて＿＿＿＿＿。



「なぁ、よろしくな＿＿＿＿。」

＝すりすり・７＝→←＝すりすり・５＝

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す