＊ ページ30
代わりに大介が続けてくれた言葉を、
俺は静かに肯定する。
佐『へへっ...、亮ちゃんらしいなぁ。』
そうやって笑ってくれちゃうから。
俺は大介に甘えてしまう。
良くないとは分かっていながらも、
どうしようもできないでしょ？って
言い訳して。実際、
どうしてもできないんだけど。
佐『分かった。じゃあ明日は期待しない。
......でも、待ってていい？』
いつか、俺が“大介”って呼びそうになったのに
恐怖を押し殺してまで“阿部ちゃん先生”って
大介が言った日のことを思い出す。
大介の方が、俺よりずーっと強い。
強くて、えらい。
阿「来年の、7月5日。
必ず迎えに行くから、待っててくれる？」
佐『もちろん。』
阿「待てる？」
佐『信じて、待ってる。』
信じるしかない。昔はよく繰り返してたな。
大介に教えるように口にして、
本当は自分の体に叩き込んで
その言葉を馴染ませようとしてた。
受け入れようとしてた。
阿「ありがとう。大介、愛してるよ。」
佐『俺も、愛してるよ亮ちゃん。』
愛してるの言葉も。
随分上手く言えるようになったものだ。
俺に教えられて、大介も色々変わったよな。
俺仕様に。
阿「...じゃあ、また明日。」
佐『うん。』
阿「またね、大介。」
佐『うん。またね、亮ちゃん。』
阿「おやすみ。」
佐『おやすみなさい。』
電話を切ったのは大介の方で。
やっぱり、俺よりよっぽど強かった。
手首に振りかけた
ミルクの匂いをたっぷり吸えば、
まだ涙が溢れてくる。
大介も、今こんな風に泣いてる？
泣いてて欲しくない気持ちと、
泣いててくれたら嬉しいなって思いと、
入り混じってよく分かんない。
俺はミルクとラベンダー、並べて香水の瓶を
引き出しの奥にしまって鍵をかけた。
鍵はチェーンに通して首から下げる。
また大介と再会する時まで、外すことはない。
こうするって、決めていたことだった。
涙を拭ったら手首に残る、
大好きなんて言葉じゃ言い足りないほど愛しい
ミルクの匂いを洗い落として。
あと2年。2年だけ信じて待とう。
そう自分の心に言い聞かせた。
2年だけ信じていれば、
きっと今まで以上の幸せが訪れてくれるから。
だから、待ってて。大介。
＊またね、ミルク。【あべさく_*】
Death or Light, Reaper or Angel.【めめラウ】→←＊
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ほんちゃ(プロフ) - あこさん» “糖度激甘”になっているか自信はございませんが...、お楽しみ頂けることを祈っております。「Puppy」というお話でございます。(^-^) (2020年9月14日 7時) (
レス) id: 57b7bcd659 (このIDを非表示/違反報告)
ほんちゃ(プロフ) - あこさん» リクエストありがとうございます！お応えが遅くなってしまい、申し訳ございません...。頂いたリクエストですが、『夢雪【Snow Man短編集】�掘戮諒�でお応えさせて頂きました。そちらの方でご覧頂けると幸いです。 (2020年9月14日 7時) (レス) id: 57b7bcd659 (このIDを非表示/違反報告)
柿ちゃん(プロフ) - リクエストお願いします！あべさくで佐久間くんが電車でセクハラを受けていてずっと黙っていたのですがあべちゃんが気づいて助けるお話お願いできますか？お願いします！ (2020年5月21日 23時) (レス) id: 2656a3babb (このIDを非表示/違反報告)
しゃけちゃん(プロフ) - やっぱり大好きです……。ほんちゃさんの使う言葉がとても綺麗で大好きで、読む度にこっちまで胸が苦しくて涙が出てきます…。ぜひ2年後2人が幸せそうに並んでいるお話も見てみたいです！！リクエストゆっくりで大丈夫です！次更新も楽しみにしています。 (2020年5月19日 23時) (レス) id: e1e18d5b19 (このIDを非表示/違反報告)
あいあい(プロフ) - 初めまして。いつも楽しみに拝読しています。本日の_*に思わず涙が溢れてしまいました。お互いが1番だからこそ守り合う2人が健気で（泣）2人の未来（続き）楽しみにしてます。もちろん他の作品も！お忙しいと思いますが頑張ってください。更新楽しみにしてます。 (2020年5月19日 13時) (レス) id: 91a4fb01f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほんちゃ
| 作成日時：2020年5月11日 8時
