○◇★◯ ページ26
「綱海…」
「あの時は敵だったけど、今は俺ら仲間だろ？なら、この海をお前らにも知ってほしいんだよ。最高の楽しさと美しさをさっ！」
「…あっ、綱海君…！」
ゴーグルを下げて、綱海君は走り出す。俺が呼び止めようとすると、彼は走ったままこっちを向いて手を振った。
「悪ぃ、良い波が来てるから行ってくる！昼には戻ってくるから、それまで好きに遊んでてくれ！！」
そのままA達の横を通り過ぎて、綱海君は海に入って行った。彼の姿が、あっという間に小さくなっていく。
「マイペースだな、あいつは」
「俺は綱海君のあぁいうとこが好きかな。…さっ、俺達も楽しもうよ。折角こんな綺麗な場所教えてもらえたんだしさ」
「そうだな。荷物はこの辺に置いておいて、私達も行こうか」
俺は鞄からシートを取り出して、それを広げた上に皆の荷物を置いた。風介がごそごそしているなと視線を向けると、彼のリュックの中から大きな水鉄砲が現れた。しかも二つも。
マシンガンみたいな水鉄砲を構えて晴矢に向けると、風介はニヤリと笑う。
「綱海の家で先に水を入れてきたんだ。はい、こっちは君の。…日頃の行いを、ここで晴矢に後悔させてやるのさ」
「用意周到だね…」
「まぁね。じゃ、先に行ってくるよ」
晴矢の背後に忍び寄るように、風介は静かに海の方へ歩いていった。
渡された水鉄砲を見ると、何となく笑ってしまう。風介も風介で、楽しみにしてたんだなって。
誰も居ない浜辺。今日は俺達だけでこの景色を堪能できるんだ。頭までびしょびしょになった晴矢が風介に仕返ししてるのを見て、俺も海まで走り出した。
今日は思いっきり遊ぼう。俺は、水鉄砲を構えた。
「…わっ、ちょっと！それ、ヒロトも持ってたの？ズルいよー！」
「お前もかヒロトっ！！遠距離はズルいぞ！！男は男らしく接近戦だろっ…！」
「うわっ…しょっぱ…！…反撃っ！」
「やめろっ！風介も、顔狙うなよ！！目に入るって…！！」
「私のアイスを全部食べたことを後悔しろっ！」
「そんなことかよっ！小せぇんだよお前は！！」
「晴矢私のプリンも食べた！私からも仕返しーっ」
「俺ばっかり狙うなぁああ！！」
楽しそうなAの笑顔。初めての海の記憶は、きっとAにとっても、素敵なものになっただろうな。
ありがとう、綱海君。
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輝(プロフ) - かなりさん» ありがとうございます！初めてランキング入りした思い入れの強い作品なので、そう言っていただけて嬉しいです(* ´ ▽ ` *) (2020年4月30日 23時) (
レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 私、この小説が大好きで最後の絵が上手でとても面白かったです！また読み返してみたいと思います！これからも体に気をつけて頑張って下さい！応援しています！ (2020年4月28日 15時) (レス) id: 698341d95b (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます(о´∀`о)完結できたのは皆様のお陰です。また新作も始めようと思ってますので、是非そちらも宜しくお願い致します(°▽°) (2017年4月3日 11時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 完結おめでとうございます!とても面白かったです!また作者様のイナズマイレブン（個人的にはまた風丸さんを）拝見できる日を楽しみにしています!本当にお疲れ様でした! (2017年4月2日 23時) (レス) id: f20ddfb271 (このIDを非表示/違反報告)
narumickey(プロフ) - お返事ありがとうございます！じゃあまた作品が出来た時に読みます(^^)これからも頑張って下さい(っ´ω`c) (2017年4月2日 18時) (レス) id: 985c8767ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2017年2月12日 12時
