★◯○ ページ22
「ヒロト。お風呂上がったんだ」
「なんだ、見当たらねぇと思ったら」
「通り雨に遭ってさ。テスト前だから風邪引くと困るし、先に入らせてもらったよ」
そう言いながら、ヒロトはAの横に座った。そして、置いてある小説に手を伸ばす。
「これ、読んでたの？」
「クララに借りたんだってよ」
「面白かったよ！分からないとこは、お姉ちゃんに教えてもらった」
「小説も読めるようになったんだ…凄いな、Aは」
「こいつ、変なことばっか覚えてるんだぜ？」
「変じゃないっ」
ヒロトは何ページか捲りながら、変なこと？と俺の顔を見た。その横でAが違うとか言い訳している。
運命の人とか、キュンとするとか…今までなら、そういうの考えないで済んだのに。
Aがそんな感情を覚えちまったら、俺だって気にしなきゃならなくなる。嫉妬とかするようになるかもしれない。…嫌なんだよ、そんなの。
「ヒロトは無いの？キュンとすること」
「キュンとすること…？」
何より、そういう相手はこいつだけで十分だ。俺の気持ちの問題もあるが、最近ヒロトの言動一つ一つが目に付く。
今だって笑顔で、
「Aが笑ったときかな」
口説き文句みたいなことを言いやがる。俺の視線に気付いてか、ヒロトは苦笑いした。
無意識なのか知らねぇけど、もしこれがAじゃなくて他の女子だったら、完全に落ちてるぞ。
「…本当に？」
「うん。俺好きだから、Aの笑顔」
「ヒロト、それ以上何か言ったら勘違いするぞ、こいつ」
変なこと言うなって意味を込めて、ヒロトの背中を蹴る。
「してないっ」
「ていうか、Aに恋愛とか100年早い」
「何でーっ…」
「…そう言いながら、晴矢はAに離れてほしくないんだよね？」
「は？そんなんじゃ…」
「そうだよね？Aに好きな人が出来るなんて考えたく…」
「バカッ、喋んな！！」
今度はヒロトが挑発するように俺を見たから、もう一発、今度は思いっきり背中を蹴ってやる。
「痛っ、暴力は良くないよ」
「お前が余計なこと言うからだろーが！」
「本当のことでしょ？」
「うるせぇ！」
「もーやめてよ、二人とも！」
余裕ぶった笑顔にまた腹が立つ。この野郎…こんな奴にAを渡してたまるかっ。
「絶対…お前なんかに負けねぇからなっ！」
「…望むところだよ」
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輝(プロフ) - かなりさん» ありがとうございます！初めてランキング入りした思い入れの強い作品なので、そう言っていただけて嬉しいです(* ´ ▽ ` *) (2020年4月30日 23時) (
レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 私、この小説が大好きで最後の絵が上手でとても面白かったです！また読み返してみたいと思います！これからも体に気をつけて頑張って下さい！応援しています！ (2020年4月28日 15時) (レス) id: 698341d95b (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます(о´∀`о)完結できたのは皆様のお陰です。また新作も始めようと思ってますので、是非そちらも宜しくお願い致します(°▽°) (2017年4月3日 11時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 完結おめでとうございます!とても面白かったです!また作者様のイナズマイレブン（個人的にはまた風丸さんを）拝見できる日を楽しみにしています!本当にお疲れ様でした! (2017年4月2日 23時) (レス) id: f20ddfb271 (このIDを非表示/違反報告)
narumickey(プロフ) - お返事ありがとうございます！じゃあまた作品が出来た時に読みます(^^)これからも頑張って下さい(っ´ω`c) (2017年4月2日 18時) (レス) id: 985c8767ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2017年2月12日 12時
