望月 / 櫻木 ページ38
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「…………え、A、？」
真夜中。
理由もなく唐突に甘いものが食べたくなった私は、好物のプリンを求めてこの24時間営業のコンビニエンスストアに足を踏み入れたわけだけど。
そこの野菜コーナーで掛けられたその声は、聞き慣れたような、でも近頃ずっと聞いていなかったような、そんな。
「…………もしかして、河村先輩？」
「うん、そう。河村」
もしかして、だなんて言いながらかなり確信を込めた私の問いに、大学時代の1つ歳上の先輩──河村拓哉は、コクリと小さく頷いた。
その姿は最後に見た時よりもかなり垢抜けていて、どこかの文豪のような落ち着いた雰囲気を醸し出している。
以前はそんなお洒落な丸眼鏡なんてかけていなかったし、服装にももう少し頓着がなかったような気がする。とはいえもうそんな記憶も何年も前のものなので、あてにならないのだが。
「夜行性なの変わりませんね。何か迷ってます？」
「うん、仕事仲間に食わせる罰ゲームを」
「……さては悪戯好きなのも変わりませんね？」
どうやら彼の仕事仲間に極端な野菜嫌いがいて、それを克服させるための罰ゲームらしい。
心底楽しそうな顔で野菜を眺める彼を見て思わず苦笑いを零す。以前より一段と大人びた見た目をしている癖に、こういう子供らしいところは変わらないのか。
見た目がどれだけ変わっても、人間数年そこらで性格が変わるはずもなく。長所も欠点も含めて喋り方や仕草まですべて、私の知っている河村先輩だった。
「A、トマトとレタスとキノコ。どれが好き？」
「え、私？ 私はどれも好きですけど」
「なるほど。じゃあ全部買うか」
片頬を上げてそう言いながら、ポンポンとカゴの中に野菜達を入れていく先輩。
よく分からないが、私のせいで顔も名前も知らない誰かの罰ゲームが過酷になってしまったらしい。キノコが野菜にカウントされているのはよく分からないけれど、とりあえず心の中で合掌でもしておくことにする。
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ぶっく。(プロフ) - どの作品も本当に素敵で、すべての話で心を動かされました！文章がとても綺麗……！最高の7名がそれぞれちがう時間を軸にした物語を展開されていて、本当にそれぞれちがう良さがありました。読んでいてとてもとても楽しかったです！ありがとうございました！ (2020年4月8日 4時) (
レス) id: 19fcfdccc5 (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - 神作者の皆様、執筆お疲れ様でした！どれもこれも素敵な作品で、一つ更新される度に胸を躍らせていました。本当に素晴らしい作品を有難う御座いました…！！ (2020年4月8日 0時) (レス) id: 10f5dc34bc (このIDを非表示/違反報告)
還元(プロフ) - いろさん» 読んでいただきありがとうございます。この後もまだまだ素晴らしい作品が続きますので、どうぞ最後までお付き合いください！コメントもありがとうございました！ (2020年4月4日 1時) (レス) id: 0ea79b5d61 (このIDを非表示/違反報告)
はるむにに(プロフ) - 神々の集まりですね、、本当すごいです(語彙力)次のお話も楽しみにしております！ (2020年4月1日 22時) (レス) id: 33dd96b3e7 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - なんと…凄い神々が集まって作品をお造りになられたのですね、一話目から凄かったです。皆さんの見れるなんて…最高です。ありがとうございます。 (2020年4月1日 20時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：830 x他5人 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年3月29日 15時
