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互いに血を啜り合うこの奇妙な関係に違和感はありつつも、抜け出せない。
彼を心から愛しているから。
この感情を忘れたくないから。
ウルドの血しか欲しない。
人間から得た血を飲めない。
完全な吸血鬼になれない。
何度かウルドと話したことがある。
ウルドを愛せば愛するほど、この感情を手放すことが怖いと。
その度に彼は、いつでも良い。そう言ってくれるが、やはり完全な吸血鬼化への恐怖は消えない。
だが、あまり悠長なことは言っていられなかった。リミットは近い。
ウルドの血を欲する時間間隔が少しずつ狭まっている。
このままでは何も覚悟すらできないまま、この感情と別れを告げなければならなくなる可能性があった。
吸血鬼は唯一、人間だった頃の執着だけが残る。
果たしてそれがウルドへの執着なのか、別のものか、本当に執着しか残らないのか…考え出すとキリがない。
「A、また考えているのか」
「…まだ怖いんです」
「そうか」
ウルドは彼女を励ますように頭を撫でる。
「私の血を欲して求めるなら、私はそれで構わない」
「でもいつまでもこのままって訳には…」
「求められる、この感覚が好きだと言ったらお前は怒るか？」
「怒りません」
「なら、もう少しこのままで良いだろう」
そう言って彼は優しく、キスを贈ってくれた。
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くれは(プロフ) - 完結おめでとうございます！ふと、ウルドが恋しいと思い戻ってきてこの作品を拝見しました。とても素敵な作品でした。この一言で終わらせるには勿体ないですが、ここら辺で…他の作品でお会いできたらな…と思います！ (2021年5月28日 19時) (
レス) id: 8383034622 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとー | 作成日時：2020年7月11日 23時
