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7. ページ20

吸血鬼の身に僅かに残った執着心が疼く。


今すぐ揺すり起こしてその目に自身の姿だけを写してほしい。


吸血しているときの恍惚とした表情をずっと見ていたい。


その声で名前を呼ばれたい。


彼女の世界を自分だけで染め上げたい。


横ですやすやと眠る存在をこの手でめちゃくちゃにしたい。




荒れる海の波のように、執着と欲が胸の内で暴れる。Aがウルドの元に現れて数年。


吸血鬼にとってはたった一瞬の時の流れ。


だが、その中でウルドはAによって多くの感情を植え付けられた。色々な事を知り、Aと共に同じ景色を見てきた。


なんでもない静かな時間の流れが愛しい。









Aが意識を手放し、目覚めたのはウルドに血をとられて数時間経った後だった。


まず、彼のすべき事と言えばAへの謝罪だ。


身勝手に嫉妬心を抱き、Aを酷く扱った。それは簡単に許されることではない。


未だベットの上で微睡む、Aへ声をかけた。
顔に掛かるシーツを退かした彼女は静かに応じる。


赤の瞳同士の視線が絡む。




「…すまなかった」

「ウルド……」

「下らないことをした。…だが、他の男に触れている姿を見ていられない私の気持ちもわかってくれ」




ウルドがそう言ったということは、ルクに何かしてしまったのだろう。




相変わらず、無意識のうちにしてしまったことに検討もつかなかったが、素直にウルドの言葉を受けとる事にした。

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くれは(プロフ) - 完結おめでとうございます!ふと、ウルドが恋しいと思い戻ってきてこの作品を拝見しました。とても素敵な作品でした。この一言で終わらせるには勿体ないですが、ここら辺で…他の作品でお会いできたらな…と思います! (2021年5月28日 19時) (レス) id: 8383034622 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こんぺいとー | 作成日時:2020年7月11日 23時

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