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吸血鬼が頂点の世界を築くべく、世界の変革が始まった。
当初の予定は人間が多く死んでいる地域に優先的に進行し、生きている者だけを保護するはずだったが、実際はほぼ同時にたった一晩で世界中の人間が死に絶えた。
あの数日前から流行っていた病というのは単なる序章に過ぎなかったのだ。
ウルドの元へは先行して人間の住む街を探索していた複数の部隊から一番早い報告が上がってきた。
その中に"年齢を問わず死んでいる"という事前情報を訂正するものがふくまれていた。
"子供以外の人間が例外無くほとんど死に絶えている"と。
大人には共通して免疫というものが存在しないものなのだろうか。
だが、これでは想定していたよりも遥かに大幅に人間が減っている事になる。
しかも子供からでは大人の半分しか血は採れない分、倍の人数を揃えなければならないとなると恐ろしく非効率だ。
そして、もう一つの問題が浮上した。
人間だけを襲う化け物の出現だ。
吸血鬼は狙わず、人間だけを狙って襲うためただでさえ弱い子供しか残っていない中で事態を限りなくややこしくする存在だった。
既にその化け物に関しては討伐命令を出しているものの、数が相当数に登る上に大人の背丈の倍は大きい。
不死身の吸血鬼でも手を焼く相手だった。
一体これはどうしたら良いのだろう。
ウルドは数時間ぶりに椅子から立ち上がると、気分転換を兼ねて食事を摂るべく部屋を出た。
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れん(プロフ) - タコさん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年5月25日 13時) (レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
タコ - とっても面白いです。これからも頑張ってください! (2020年5月24日 16時) (レス) id: 805d2b00fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こんぺいとー | 作成日時:2020年5月19日 23時